研究課題/領域番号 |
22K16437
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分55010:外科学一般および小児外科学関連
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
佐藤 真実 東北大学, 大学病院, 助教 (70746362)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2024年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
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キーワード | 副甲状腺 / 5-ALA / ラット / 副甲状腺移植 / 膵島移植 / 膵島 |
研究開始時の研究の概要 |
副甲状腺移植は、細切し筋肉内に移植するというシンプルな手法により移植腺が生着すると推測されているが、その生着機序は未だ不明であり、グラフトが十分な機能を発揮するかの科学的な検証はほぼ皆無である。一方膵島移植は、筋肉内移植のグラフト生着率は標準法である経門脈的肝内移植に遠く及ばないため、低侵襲で追加移植が容易な筋肉内移植を断念せざるを得ない状況にある。そこで本研究では、高感度イメージングシステムとマイクロダイセクション法を用いて、筋肉内移植に課題を抱える膵島移植と比較することにより、副甲状腺移植の実際の有効性やその詳細な作用機序の学理を究明し、種々の再生細胞医療への応用のための基盤構築を目指す。
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研究実績の概要 |
筋肉内移植に課題を抱える膵島移植と比較することにより、副甲状腺移植の実際の有効性やその詳細な作用機序の学理を究明し、種々の再生細胞医療への応用のための基盤構築を目指して研究を開始した。 ラットの副甲状腺組織を全摘し、副甲状腺ホルモンを0にするモデルの作成をし、移植実験や、血管新生の確認実験を行う予定とした。 ラットの副甲状腺組織の同定として、近赤外光カメラを用いたり、5-ALAの腹腔内投与により副甲状腺の同定を試みた。その結果、5-ALAの腹腔内投与が有効であることが判明し、同定できた組織を摘出し、組織学的にも副甲状腺組織が摘出されていることを確認した。摘出方法として、甲状腺に埋没している副甲状腺を摘出するために甲状腺も合併切除する方法と、5-ALAにより発光した副甲状腺組織のみを摘出する方法とを行い、甲状腺全摘群は侵襲が大きく、コントロール群として不適と判断し、副甲状腺のみ摘出する方法とした。副甲状腺が摘出された後に、副甲状腺ホルモンが0になるかどうかの、採血実験を行ったところ、予想と反し、副甲状腺ホルモンの低下が見られなかった。血漿や血清、保管温度(-80℃、氷冷え、常温)、分離までの時間(即時、1時間以上)等で検討したが、いずれも大きな差は認めず、血漿で、氷冷保存して、まとめて分離する方法とした。原因としては、過剰腺(3腺以上)の可能性が考えられたが、5-ALAで他の部位に明らかな発光は認められなかった。副甲状腺摘出後の検体をELISA法にて再検討している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
ラットの副甲状腺組織を全摘し、副甲状腺ホルモンを0にするモデルの作成をし、移植実験や、血管新生の確認実験を行う予定としていた。 5-ALAにより発光した副甲状腺組織のみを摘出する方法を行い、組織学的にも副甲状腺が摘出されていることが確認できた。そして、副甲状腺が摘出された後に、副甲状腺ホルモンが0になるかどうかの、採血実験を行ったところ、予想と反し、副甲状腺ホルモンの低下が見られなかった。採血方法の問題を考え、血漿や血清、保管温度(-80℃、氷冷え、常温)、分離までの時間(即時、1時間以上)等で検討したが、いずれも大きな差は認めず、血漿で、氷冷保存して、まとめて分離する方法とした。続いて、過剰腺(3腺以上)の可能性を考えたが、5-ALAで他の部位に明らかな発光は認められなかった。測定方法の問題を考え、副甲状腺摘出後の検体をELISA法にて再検討している。
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今後の研究の推進方策 |
組織学的には副甲状腺組織が確実に摘出できているため、測定方法の問題を考え、副甲状腺摘出後の検体をELISA法にて再検討している。 その結果をうけて、コントロールとして、副甲状腺ホルモンを0にするモデルの作成を引き続き進める。 その上で、副甲状腺移植の生着の確認として、遺伝子改変技術を用いてホタルの発光タンパク質Luciferaseを全身に発現したLuciferase(Luc) transgenic(Tg)ラットより副甲状腺を摘出し、ラットの筋肉内あるいは皮下へ細切し移植する。移植したラットに、基質Luciferinを投与することによって、Luc Tgラットの持つLuciferaseによってLuciferinが酸化され、移植グラフトの生着具合を発光で確認する。 また、副甲状腺の生着機序の解明のため、緑色蛍光色素蛋白質(GFP; green fluorescent protein)遺伝子を導入し、副甲状腺を標識させた雄性ラットをドナーとして使用し、副甲状腺を摘出する。またレシピエントには、免疫反応の介入を最小限とするために雄性ヌードマウスを使用し、皮下移植モデルとして、Dorsal skinfold chamber(DSC)モデルを採用し、レシピエントマウスにDSCを装着し、ドナー副甲状腺グラフトを移植する。多光子顕微鏡にて、新生血管及び副甲状腺グラフトを経時的に観察するとともに、バイオマーカー(血管新生因子、サイトカイン、PTH、Ca、IP)を測定し、生着確認と生着に寄与している因子の検証を行う。また、レーザーマイクロダイセクション(LMD)法を用いて、グラフトを切り抜き、ECMや血管新生に関与する遺伝子解析を行う。また、移植部位を摘出したのち、病理学的観察を行う。
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