研究課題/領域番号 |
22K16439
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分55010:外科学一般および小児外科学関連
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
古屋 欽司 筑波大学, 医学医療系, 講師 (20867915)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2025年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2024年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 腎移植 / 免疫抑制 / リンパ球 / 遺伝子発現 / バイオマーカー / 免疫抑制強度 / 遺伝子発現プロファイル |
研究開始時の研究の概要 |
腎移植において、免疫抑制薬には個人差がありその調整が重要であるが、免疫抑制強度を客観的に評価する指標がない、という大きな課題がある。 本研究では、腎移植後患者の血液サンプルを用いて、腎移植患者の臨床経過と、免疫細胞の遺伝子発現プロファイルの相関を比べることにより、新たな評価指標を探索する。また、その評価指標については細胞を用いた実験系でも免疫細胞への寄与を検証する。 免疫抑制強度を反映するバイオマーカーの確立は、免疫抑制剤の量の個別化・最適化を可能とし、拒絶反応や感染症の頻度を減少させることにつながると期待できる。
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研究実績の概要 |
本研究では、腎移植患者に使用する複数の免疫抑制薬の総和としての免疫抑制強度を、客観的に評価する指標を探索することを目的としている。免疫力の評価に用いる検体としてはリンパ球に着目して、遺伝子発現プロファイルと臨床的な経過・感染性合併症や拒絶の有無を調べることで、その相関を見ることを計画した。 まずは、生体腎移植を行う患者を対象として、手術前、手術後3か月、6か月、12か月のタイミングにおいてT細胞(CD4陽性細胞、CD8陽性細胞)とB細胞(CD19陽性細胞)を分離することを試みた。分離後の細胞数には多少のばらつきはあるものの、おおむね回収はできており、2022年度には、16サンプルを採取し、細胞の分離を行った。2020年10月から、すでに蓄積しているサンプルと合わせるとのべ46サンプルとなった。細胞は冷凍保存してストックし、解析をする準備を進めている。症例の臨床経過としては、同期間に感染性合併症を生じた症例も見られており、免疫強度の解析に用いることができると考えられる。感染症としてはBKウイルスやCMVが頻度が高いため、感染症の種類に関してもデータを蓄積していく。一方で、拒絶反応は術後1年以下に多いとされるものの、拒絶反応については頻度が少なく、まだ症例の蓄積は不十分である。 感染性合併症の種類と有無に着目して解析することと、症例ごとに移植の前後での変化に着目して比較をすることで、免疫抑制の程度の変化を検討できると考えられる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
今までに、CD4、CD8、CD19をマーカーとしてリンパ球を分離して保存してきている。しかし、抽出に成功しない検体や、細胞の保存がうまくいかなかった検体もみられた。また、検体採取と抽出のタイミングが合わずに検体が劣化してしまう、といったリスクもあり、均一な品質での細胞抽出が難しいという側面も明らかになってきた。 検体のストックが予定よりも遅れており、一部タイミングに検体がそろっていない症例もあることが課題となっている。
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今後の研究の推進方策 |
今後、リンパ球を抽出するとともに血清も保存していくことを検討する。血清については、臨床検査の残検体からも採取が可能であるため、少し遡って臨床検体残余を集めることも可能となり、より網羅的に検体を集められると考える。血清での遺伝子発現とリンパ球での遺伝子発現も調べることで、リンパ球の機能発現を代替する血清中のマーカーを抽出できる可能性もあり、より多角的に解析ができると考える。
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