研究課題/領域番号 |
22K16441
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分55010:外科学一般および小児外科学関連
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
黒田 梨絵 金沢大学, 医学系, 協力研究員 (90881045)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2024年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2022年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 神経芽腫 / アブスコパル効果 / I-131MIBG内照射 / MIBG内照射 / MIBG治療 |
研究開始時の研究の概要 |
高リスク群神経芽腫(以下、神経芽腫)は、標準治療では非常に予後不良である。申請者の 所属する施設は大量131I標識3-ヨードベンジルグアニジン内照射(以下、MIBG内照射)を日 本で唯一行っており、標準治療にMIBG内照射を追加することによる有意な生存率の向上が得 られること、またその背景としてMIBG内照射後に患者体内で免疫活性化が生じるアブスコパ ル効果(抗腫瘍免疫反応増強効果)の存在を明らかにしてきた。本研究では神経芽腫症例におけ るMIBG内照射前後の免疫動態解析と神経芽腫モデルマウスを用いた検討から、MIBG内照射に よる抗腫瘍免疫応答の詳細な機序を明らかにする。
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研究実績の概要 |
本研究の目的はMIBG内照射前後の神経芽腫患者および神経芽腫モデルマウスを用いてMIBG内照射による抗腫瘍免疫応答を解析することで、腫瘍の免疫チェックポ イント応答によるアブ スコパル効果の回避機序を明らかにして、その知見を基にMIBG内照射のより効果的な使用方法(免疫療法との併用など)を確立することで ある。 今年度は神経芽腫モデルマウスであるTh-MYNCマウスを購入し繁殖に成功、PCR検査にてhemiマウスの同定を行い実験に使用した。I-131MIBG内照射を行う場合、RIの取扱やひばくの問題から解析が限定されてしまうために、まず予備実験として神経芽腫モデルマウスに放射線照射(TBI 2Gy)を行い、脾臓および腫瘍細胞における細胞解析をフローサイトメトリー(FCM)を用いて行った。通常腫瘍内にはリンパ球はほとんど存在しないが放射線照射後に有意なリンパ球浸潤を認めた。また放射線照射後に腫瘍のGD2発現増強(MFIの増加)を認めた。来年度は照射後の経時的な変化およびリンパ球の活性化マーカーなどの検討、マクロファージやDCに関する検討も行う予定である。また凍結保存した照射後の血清を用いてサイトカインアレイを用いて検討を行う。これらの所見をもとに、神経芽腫モデルマウスに放射線照射とGD2抗体の併用、PD-1/PD-L1抗体の併用などでアブスコパル効果を増強できるか検討する。最後に神経芽腫モデルマウスにI-131MIBG内照射を行い同様の所見が得られるかを検討する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
神経芽腫モデルマウスをうまく確立できたために予定していた実験が順調にすすんでいる。
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今後の研究の推進方策 |
神経芽腫モデルマウスにおいて照射後に腫瘍のGD2発現増強およびリンパ球浸潤を認めたために、GD2抗体をどのタイミングで併用すればそれらの効果が増強するか、またPD-1/PD-L1の発現やマクロファージ、DCの解析をすすめ、PD-1/PD-L1の阻害によりそれらの効果が増強するかを検討する。同様のことがI-131MIBG内照射でも確認できるか検討する。
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