研究課題/領域番号 |
22K16442
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分55010:外科学一般および小児外科学関連
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研究機関 | 浜松医科大学 |
研究代表者 |
鈴木 雄飛 浜松医科大学, 医学部, 特任研究員 (90938755)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2027-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2026年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2025年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2024年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | せん断応力 / 体圧 / 腹腔鏡手術 / 砕石位 / 仙骨部 / 砕石位手術 / 仙骨部褥瘡 / 下肢コンパートメント症候群 / 圧挫症候群 / 神経障害 |
研究開始時の研究の概要 |
骨盤外科領域の腹腔鏡、ロボット支援下手術は砕石位で行うことが一般的である。体位に起因して下肢コンパートメント症候群や神経障害、褥瘡などの合併症が報告されているが、定まった予防策は存在しない。我々の予備研究で行った大腸癌に対する腹腔鏡下砕石位手術中での左下腿の圧測定の結果では、右下頭低位で左下腿圧は上昇し、水平位に戻すことで低下することが判明した。また左下腿、肩、上肢、仙骨部などの各荷重部位では発赤、痛み、しびれなど体位の影響を疑う症状や所見を認めた。本研究では砕石位手術に対し各荷重部位の圧測定を行い、周術期の有害事象発生の有無を評価し、安全な手術遂行のための至適術中体位の確立を目指す。
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研究実績の概要 |
研究を行うため、砕石位での手術を施行する症例を対象とした前向き観察研究を立案し、当施設の倫理委員会へ申請致しました。本研究では体圧測定器を用いて術中の体位によりかかる圧負荷の経時的変化を測定しております。当施設で行われる砕石位を体位とする手術症例に対し、体圧測定器を用いて術中の荷重部位にかかる圧負荷を視覚的に、リアルタイムに評価することが可能となります。当科では術中のかかる圧の経時的変化の先行研究として、砕石位での腹腔鏡下手術の術中に左下腿にかかる外圧に関する解析を行いました。その結果、砕石位での術中に左下腿にかかる外圧は右下頭低位にすることで上昇し、水平位にすることで低下することを証明致しました。その結果に加え、砕石位での手術を行った症例の一部に仙骨部など左下腿以外の部位にも体位の影響と考えられる痛み、発赤などの症状を認めていたことが判明しました。そのため、砕石手術における仙骨部の褥瘡形成にせん断応力が関与するか否かを評価することを目的として本研究を進めて参りました。本研究ではPrimary endpointを「平均せん断応力」とし、砕石位で行う腹腔鏡下大腸切除術を対象とした前向き観察研究を立案しました。倫理指針に遵守し、インフォームドコンセントを行い、同意を頂いた方の手術症例を集積しました。2021年11月から2022年10月までの1年間研究を行い連続する37症例の集積を終えました。有害事象も認めず、安全性も問題なく遂行致しました。現在得られた測定結果の解析も終了しました。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当施設にて実施した前向き観察研究の症例の集積は終了致しました。各症例それぞれに倫理指針に遵守した上で、事前にインフォームドコンセントを行い、文書にて同意を得ております。試験中に安全性に関する問題は認められず、有害事象の報告も認められませんでした。集積した研究結果を用いた解析も終了したため、研究の進捗状況はおおむね順調に進展していると判断致しました。
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今後の研究の推進方策 |
当施設にて実施した研究により集積した症例の解析データの統計的妥当性を評価し、まとめた結果をもとに論文化を進めております。論文作成と並行して、仙骨部以外の荷重部位の測定を行う前向き観察研究の立案を行う予定です。
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