配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2023年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2022年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
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研究実績の概要 |
本研究課題では、炎症性疾患モデルや肝硬変モデルなどにおいて、免疫調整作用や組織修復作用などの効能が証明されているHMGB1ペプチドを用いて、肝移植後急性細胞性拒絶モデルにおける治療効果を検討することを目的とした。 本年度は最終年度に当たり、当科で確立したラット肝移植モデルを用いて、HMGB1ペプチドの抗炎症作用や免疫抑制能の有無について評価を行った。 1)同種異系ラット肝移植モデル(ドナー:Dark Agouti Rat、レシピエント:Lewis Rat)に対して、術後3日目、6日目、9日目・・・と3日後毎にHMGB1ペプチドを3mg/kg/回、または、同量の生理食塩水の投与を行った。7日以上生存したものを解析の対象とした。その結果、全生存期間はペプチド群は10, 11, 12, 14, 16日で、生理食塩水群は9, 10, 17, 18日であり、全生存期間に有意差を認めなかった。 2)同種異系ラット肝移植モデル(ドナー:Dark Agouti Rat、レシピエント:Lewis Rat)に対して、術後3日目、6日目にHMGB1ペプチドを3mg/kg/回、または、同量の生理食塩水の投与を行った。移植後7日目に犠死させ、血液、肝組織をサンプリングし、生化学データ(AST、ALT、T-Bil、Alb)、体重変化率(術後7日目体重/術前体重)、グラフト肝重量/体重比、肝組織の比較検討を行った。その結果、検討項目について、HMGB1ペプチドの投与の有無による有意な違いは認められなかった。また肝組織では門脈域、中心静脈域に著明な細胞浸潤を認め急性細胞性拒絶の像を呈していたが、HMGB1ペプチドの投与の有無による明らかな違いは認められなかった。 結論 ラット肝移植細胞性拒絶モデルにおいて、検討したHMGB1ペプチドの投与方法においては明らかな抗炎症作用、免疫調整能は認められなかった。
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