研究課題/領域番号 |
22K16448
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分55010:外科学一般および小児外科学関連
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研究機関 | 福島県立医科大学 |
研究代表者 |
高橋 一人 福島県立医科大学, 保健科学部, 講師 (70791606)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2024年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | O型糖鎖 / 糖転移酵素 / GALNT6 / 乳癌 / Galnt6 |
研究開始時の研究の概要 |
癌細胞には正常細胞にみられない特有の糖鎖が発現し、癌の増殖や浸潤などに重要な役割を果たすことが知られている。近年、乳癌においてO型糖鎖に対する糖転移酵素Galnt6の発現亢進と癌の増悪の関連性が報告され、Galnt6が予後予測や抗癌剤の標的として注目されている。しかし、Galnt6による糖鎖修飾が乳癌細胞へ及ぼす分子メカニズムの多くは不明である。本研究ではエストロゲン受容体、ムチンなどの乳癌関連糖タンパク質に着目し、Galnt6による糖鎖修飾がこれらのタンパク質の機能制御に果たす役割を明らかにする。
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研究実績の概要 |
乳癌においてO型糖鎖糖転移酵素GALNT6の発現亢進と癌の増悪の関連性が報告され、GALNT6が予後予測や抗癌剤の標的として注目されている。我々は、GALNT6を欠損させた乳癌細胞と親株の比較解析によって、GALNT6による糖鎖修飾が乳癌関連分子に果たす役割を明らかにし、どのように乳癌の進展に関与しているかを解明することを目的としている。 令和5年度は、昨年度作出したGALNT6欠損乳癌細胞(MCF-7)の解析結果が、オフターゲットによる影響ではないことを確認するため、GALNT6欠損MCF-7のレスキュー株を作出した。次いで、GALNT6欠損MCF-7の生物学的特性を評価するため、細胞増殖試験や創傷治癒アッセイを行い、GALNT6欠損MCF-7が親株より細胞増殖速度や細胞遊走速度が遅いことを見出した。また、GALNT6欠損MCF-7と親株の細胞形態を比較すると、GALNT6欠損MCF-7の方が細胞結合性が強く、細胞集塊辺縁が滑らかな類円形のコロニーを形成した。本形態変化は、GALNT6が細胞接着分子、細胞骨格や細胞増殖因子を制御していることを支持する結果と考えられた。さらにGALNT6の基質タンパク候補としてこれまで報告されているエストロゲン受容体やE-カドヘリンなどの乳癌関連分子の発現解析を行ったところ、GALNT6と有意な相関は認められなかった。本結果より、これまでGALNT6の基質とされていた分子以外についても検証をするため、RNA-seq解析およびプロテオーム解析を行い、新たなターゲット分子の探索を進めているところである。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
令和5年度は、作出したGALNT6欠損MCF-7の解析を進め、GALNT6による生物学的特性を明らかにしたが、GALNT6の基質タンパクとして想定していた分子の変動は確認できず、新たなターゲット分子の探索が必要となった。現在、RNA-seq解析およびプロテオーム解析を進めているが、得られたデータを解析し、ターゲット分子候補を同定するまでに相応の時間を要することから、進捗状況を「やや遅れている」と判断した。
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今後の研究の推進方策 |
GALNT6欠損MCF-7、親株およびGALNT6欠損MCF-7レスキュー株を対象として、RNA-seq解析およびプロテオーム解析を行い、GALNT6欠損MCF-7特異的に変動する基質タンパク候補を同定する。また、より客観的にGALNT6による乳癌の細胞制御機構を評価するため、他の乳癌細胞株や非乳癌細胞についても解析を進める予定である。
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