研究課題/領域番号 |
22K16449
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分55010:外科学一般および小児外科学関連
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研究機関 | 横浜市立大学 |
研究代表者 |
成井 一隆 横浜市立大学, 附属市民総合医療センター, 講師 (70468172)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2024年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2023年度: 130千円 (直接経費: 100千円、間接経費: 30千円)
2022年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | 乳癌 / 乳房再建 / 脂肪移植 / 乳がん / 再建 |
研究開始時の研究の概要 |
乳がんに対する乳房切除術後の乳房再建として,脂肪移植(fat grafting:FG)がある.FGは異物を用いず、血管吻合の技術も要さず、侵襲も小さいが、移植する脂肪細胞に含まれる脂肪由来 間質/幹細胞(adipose-derived stromal/stem cells: ADSC)が乳がん再発の可能性を高める成長因子を分泌する可能性は、腫瘍学的安全性上の重要な懸念である。本研究では、FGの腫瘍学的安全性について、ADSCが乳がん細胞の増殖に関与するかを検証し、FGによる一次再建の調査より乳がん再発の頻度について検証する.
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研究実績の概要 |
当院で内視鏡補助下皮膚/乳頭温存乳房全切除と脂肪移植による一次再建を行った症例の後ろ向きコホート研究について,”早期乳癌に対する内視鏡補助下皮膚/乳頭温存乳房全切除と脂肪移植による一次再建の有効性、安全性を検討する後ろ向き観察研究”として倫理委員会の承認を得て(承認番号 F220800020),同研究計画書に従ってデータの収集および解析を行い,”Endoscopic mastectomy followed by immediate breast reconstruction with fat grafting for breast cancer”のタイトルで論文化した. 臨床ステージ 0 または I の乳癌23例に、内視鏡的にNipple-sparing mastectomyもしくはSkin-sparing mastectomyを実施し,即時脂肪移植再建を行った.年齢中央値は45歳(41~55歳)、BMI中央値は19.3 kg/m2(15.8~26.6)であった.18(78%)でSkin-sparing mastectomyが行われ、5人(22%)に対してNipple-sparing mastectomyが行われた.手術時間の中央値は295分(242~346分)であった。摘出標本の重量の中央値は133g(71~334g)で、移植した脂肪量の中央値は200mL(136~320)であった.合併症のために再手術や追加の処置を必要とした患者はなかった.追跡期間中央値56.1カ月で1例に局所再発を認め,局所切除を施行した.この再発症例は局所切除後54か月が経過し,無再発生存中である. 文献的検索の限り、本報告は内視鏡的乳房切除術後即時脂肪移植再建の最初の報告である.本法は,他の自家組織による即時再建術と比較して、皮膚切開と手術時間を最小限に抑え、潜在的に合併症は発生しにくい有用な方法である.腫瘍学的安全性、整容性および患者満足度の評価のために,今後,さらなる前向き研究を実施すべきと思われた.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
臨床研究について,欧文論文としての発刊を達成したため.
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今後の研究の推進方策 |
臨床研究の根拠となる基礎実験を行い,その理論的背景について検証する.
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