研究課題/領域番号 |
22K16474
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分55010:外科学一般および小児外科学関連
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研究機関 | 地方独立行政法人神奈川県立病院機構神奈川県立こども医療センター(臨床研究所) |
研究代表者 |
臼井 秀仁 地方独立行政法人神奈川県立病院機構神奈川県立こども医療センター(臨床研究所), 臨床研究所, 医長 (40720165)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2024年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2023年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2022年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | リンパ管奇形 / リンパ管奇形内皮細胞 / リンパ管腫 / リンパ管腫内皮細胞 / 正常リンパ管内皮細胞 |
研究開始時の研究の概要 |
病因として重要なLM-LECにおける腫瘍関連因子のPIK3CA変異の関与が示唆されている。近年、不完全ながらLM-LECの分離培養や遺伝子変異、臨床でのmTOR阻害薬の有効性などが報告され,病態解明への研究進展が期待される。内腔消化法で分離培養した独自のLM-LECを用い、LM-LECとn-LECのmRNAやタンパク質を網羅的に解析し、両者の相違点を明らかにし、新しい治療戦略の考察に繋げる。また遺伝子変異を臨床応用するために、病変穿刺液からの迅速な遺伝子変異検出法を確立し、治療効果のモニタリング法を模索する。
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研究実績の概要 |
リンパ管奇形(LM)は大小様々な嚢胞が集簇して腫瘤をなす疾患である。構成する嚢胞はリンパ管奇形リンパ内皮細胞(LM-LEC)に裏打ちされ、内部にはリンパ液が貯留する。LMの一般的治療法には内服療法,硬化療法,外科切除術などがあるが,病変の局在・病型・分布によって重篤な症状をきたし、治療に難渋する事が少なくない。 既に報告した硬化療法の工夫によって、急変しうる患者、他院では気管切開を要する患者を、気管切開無しで安全に治療できるようになり、引き続き他県より多くの症例紹介を頂いている。しかしながら1例の患者で気管切開を回避できなかった。また他院フォロー中の患者の急変で当院に搬送されたが、到着時には手遅れであった症例も経験した。 今年度は難治性LMに対するmTOR阻害薬の投与は効果不十分と評価せざるをえない例が多いのが現状であったが、有害事象は少なく、やや適応を拡大して合計10例で投与を行った。 病態解明に関し、我々の報告した内腔消化法によるLM-LECは、分離段階で発現抗原による選別を受けていない唯一のLM-LECであり、未知の細胞を検証するに際して最も重要な条件を備えている。これらLM-LECを複数例分確保し、RNAseqにかけ、結果を得ている。既にデータベースより正常リンパ管内皮細胞のRNAseqデータは得られており、これらを比較して解析を進めつつある。 またLM嚢胞内容液からの遺伝子解析を試みている。リンパ管腫における硬化療法例を中心に、リンパ管腫内容液を10数症例以上回収を得た。ここから核酸抽出も完了しており、ddPCRのプライマーも確保できており、今後ddPCRによる遺伝子変異の解析を試みる。 また新たな試みとしてリンパ管腫における放射光解析を始める準備を開始している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
RNAseq結果の解析および解釈に時間を要している。 採取液よりDNAは回収できたが、コントロール確保に手間取り、現在ddPCRの解析待機状態である。
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今後の研究の推進方策 |
RNAseq結果の解析および解釈を進め、形にして報告する予定である。 ddPCRによる解析から、遺伝子変異の検出を試みる。ラパリムス使用中患者においては、その効果との関連性を評価する。 放射光解析による微量元素の分布解析を進める
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