• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 前のページに戻る

膵癌間質の再構築による腫瘍免疫賦活化を標的とした革新的膵癌免疫治療の開発

研究課題

研究課題/領域番号 22K16503
研究種目

若手研究

配分区分基金
審査区分 小区分55020:消化器外科学関連
研究機関東北大学

研究代表者

井上 亨悦  東北大学, 医学系研究科, 大学院非常勤講師 (30912711)

研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2024年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2023年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
キーワード膵癌 / 癌微小環境 / 癌関連線維芽細胞 / 腫瘍免疫
研究開始時の研究の概要

申請者はこれまで、膵癌細胞のIFNA-STAT3 axisの制御が腫瘍増殖を抑制することを明らかとした。膵癌は非常に豊富な間質を持つことが特徴で、膵癌間質がSTAT3を介して腫瘍免疫を抑制することが報告されている。IFNA-STAT3 axisの制御は、膵癌間質による腫瘍免疫抑制を解除し、Immune check point blocker (ICB)による細胞障害性T細胞を介した殺細胞効果を高めると予想される。故に、ICBとIFNAR1阻害剤の併用は、STAT3抑制による直接的な抗腫瘍効果に加え、腫瘍免疫による相乗効果により、強力な膵癌治療となり得ると考えており、新規膵癌治療の確立を目指す。

研究実績の概要

膵癌の手術検体より、CAFの初代培養を行い、5例からCAFを樹立した。CAFのマーカーである、FAPはいずれも発現しており、また、癌細胞のマーカーである、サイトケラチン19の発現は認めず。初代培養した細胞がCAFであることを確認した。CAFの成長が遅いことから、CAFの不死化を行うことにし、現在SV40の遺伝子導入を行い、不死化したCAFを樹立した。
CAFと膵癌細胞(AsPC1)のマウスへの共移植モデルを作成するために、予備実験として、PSCと膵癌細胞の移植する比率の評価を行った。膵癌とPSCの移植する細胞の割合10:0,1:1, 1:9でマウスの膵臓に移植し、その腫瘍増殖を比較した。膵癌細胞のみ移植した腫瘍と比較し、1:1、1:9で移植した腫瘍は増殖が抑制されていた。これは、PSCが腫瘍増殖を抑制的に働くことを示唆していると思われた。時に1:1で移植した腫瘍と膵癌細胞のみ移植した腫瘍の差が大きいことから、今後の実験では1:1で共移植する方針とした。
AsPC1とPSCを1:1, 10:0の割合で移植し、腫瘍の増殖を比較すると、予備実験と同様に共移植した腫瘍で、腫瘍増殖の抑制効果が認めらられた。これは、PSCが腫瘍の増殖を抑制する働きを持つものと考えられ、myCAFの性質を持っていると思われた。膵癌細胞のみを移植した組織と共移植した腫瘍の間の介在するメカニズムを評価するために、腫瘍をRNA-seqに提出し、解析すると、SMAD3関連の遺伝子が共移植モデルで優位に発現していた。
次に、vitroでSMAD3の発現を評価した。AsPC1の分泌物を含むcondition mediumをPSCに添加すると、予想通りSMAD3が活性化した。一方で、PSCの分泌物をAsPC1に添加しても、SMAD3は活性化されず、腫瘍内のSMAD3活性化は、PSCの変化に依存するものと予想された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

2024年度で研究は終了する予定である。

今後の研究の推進方策

セカンドモデルでの検証。膵癌細胞株のMiapaca2を用いて、マウスにPSCを共移植し、腫瘍の増殖について、評価を行なっている。
PSCのSMAD3の下流の遺伝子変化を評価するために、AsPC1のcondition mediumをPSCに添加したサンプルを用いて、RNA-seqを行う。
PSCのSMAD3の発現と予後の相関を評価するために、手術検体を用いて、pSMAD3の免疫染色を行う。

報告書

(2件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 2022 実施状況報告書

URL: 

公開日: 2022-04-19   更新日: 2024-12-25  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi