研究課題/領域番号 |
22K16516
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分55020:消化器外科学関連
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研究機関 | 名古屋市立大学 |
研究代表者 |
前田 祐三 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 助教 (10770258)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2024年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | トリフルリジン / アポトーシス / 大腸がん / FTD耐性 |
研究開始時の研究の概要 |
トリフルリジン(FTD)は治癒切除不能な進行・再発大腸がんに対する内服抗癌剤であるが、長期投与による耐性獲得が問題になっている。私たちはこれまでに、大腸がんの進行に伴い、抗アポトーシス蛋白であるBcl-xLとMcl-1の発現が増強することを発見した。さらに、5-FU耐性の大腸がん細胞株では非耐性株と比較して、Bcl-xLとMcl-1の発現が増強していることも明らかとした。本研究では、FTD耐性大腸がんの臨床検体および細胞株を用いて、Bcl抗アポトーシス関連因子を同定し、これらを標的とすることでFTDに対する耐性が解除されることを示し、そして、FTD耐性を解除するメカニズムを解明する。
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研究実績の概要 |
トリフルリジン(FTD)は治癒切除不能な進行・再発大腸癌に対する内服抗癌剤であるが、長期投与による耐性獲得が問題となっている。我々はこれまでに、大腸癌の進行に伴い、抗アポトーシス蛋白であるBcl-xLとMcl-1の発現が増強することを発見した。さらに、5-FU耐性の大腸癌、細胞株では非耐性株と比較してBcl-xLとMcl-1の発現が増強していることも明らかとした。本研究では、FTD耐性大腸癌の臨床検体および抗アポトーシス関連因子を同定し、これらを標的とすることでFTDに対する耐性が解除される事を目的とする。 現在FTD耐性大腸癌細胞を用いた研究に先立ち、まずは通常の大腸癌細胞株、5-FU耐性大腸癌細胞株における抗アポトーシス蛋白の機能解析を行っている。具体的には大腸癌細胞株の抗アポトーシス蛋白をsiRNAや特異的阻害剤を用いて阻害を行い、大腸癌細胞株の増殖、アポトーシス、5FU感受性、FTD感受性に及ぼす影響を検討した。現時点では、大腸癌細胞においてMcl-、Bcl-xLともにアポトーシス制御に重要な役割を果たしているが、特にBcl-xLは単独で細胞の増殖やアポトーシスに強く影響を及ぼすという結果が得られている。Mcl-1に関しては単独での細胞増殖抑制、アポトーシス誘導効果は認めないが5FU投与時のアポトーシス誘導増強効果やBcl-xLと同時阻害をした際の強い細胞増殖抑制効果を認めている。 FTDの感受性に及ぼす影響に関して、まずはMcl-1を阻害した際のFTD感受性変化について検討を行ったが、現時点ではMcl-阻害によるFTD感受性の変化は確認できていない。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
FTD耐性大腸癌の臨床検体および細胞株の獲得に時間を要している。 抗アポトーシス関連因子の同定に時間を要している。
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今後の研究の推進方策 |
FTD耐性大腸癌の臨床検体および細胞株を用いて抗アポトーシス関連因子の同定を行う。具体的にはBcl-2ファミリー蛋白の発現変化を想定している。これらを標的することでFTDの耐性が解除されることを示す。
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