研究課題/領域番号 |
22K16518
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分55020:消化器外科学関連
|
研究機関 | 京都府立医科大学 |
研究代表者 |
清水 浩紀 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (00756827)
|
研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2023年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2022年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
|
キーワード | 癌関連線維芽細胞 / 大腸癌 / 膜輸送体 / アミノ酸輸送体 / colon cancer / fibroblast / ion channel / transporter / イオン輸送体 |
研究開始時の研究の概要 |
我々はこれまで消化器癌の通常癌細胞株や癌幹細胞において特定のイオン輸送体が高発現を示し、癌進展に関与することを明らかにしてきた。しかし、消化器癌の癌関連線維芽細胞(Cancer associated fibroblast; CAF)におけるイオン輸送体の役割については知られていない。本研究では、「CAF特異的に発現したイオン輸送体の制御により、大腸癌の進展が抑制される」という実験仮説の検証を行う。その結果より、CAF内イオン濃度変化を介した新たな腫瘍進展メカニズムを解明し、イオン輸送体阻害薬による大腸癌に対する新たな分子標的治療の可能性を明らかにすることを本研究の目的とする。
|
研究成果の概要 |
大腸癌切除検体から分離培養した癌関連線維芽細胞と正常部線維芽細胞の3ペア分から抽出したmRNAを用いたmRNA microarray検査の結果、NFと比較してCAFにおいてアミノ酸輸送体のL-type amino acid transporter 1(LAT1(SLC7A5))の発現が優位に高いことを見いだした。分離培養した細胞を用いてsiRNA transfection実験を進めようとしたが、分離培養細胞の老化が見られ増殖速度が著しく低下したため計画した細胞実験の実施が困難となった。そのため、CAF実験の実績がある施設に見学に行くなどトラブルシューティングに時間を要した。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
今回、正常組織より癌組織癌の線維芽細胞においてLAT1が高発現であることを見いだしたが、これがヒト臨床サンプルが元になっていることにまず意義がある。LAT1は大腸癌を含め種々の癌組織で高発現を認め、癌進展に関与していることが報告されているうえ、LAT1阻害剤の開発も進められており癌治療の有望な標的分子である。癌関連線維芽細胞におけるLAT1の意義についてはこれまで報告がないため、それが判明すれば癌治療に応用できる可能性を秘めている。また、細胞実験だけでなく大腸癌切除標本を用いた免疫染色法でも同時に検討を始めており、臨床データを使用できるため実臨床に則した研究であることに意義がある。
|