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生体吸収性ステントによる消化管縫合不全の新規治療法開発を目指した基礎的研究

研究課題

研究課題/領域番号 22K16519
研究種目

若手研究

配分区分基金
審査区分 小区分55020:消化器外科学関連
研究機関奈良県立医科大学

研究代表者

尾原 伸作  奈良県立医科大学, 医学部, 研究員 (10623481)

研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2023年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
キーワード縫合不全 / 大腸癌 / 生体吸収性ステント
研究開始時の研究の概要

大腸癌の術後縫合不全は最も危惧される合併症である.実臨床において,①縫合不全は腸管内容の漏出を一定期間防止できれば保存的治療が可能,②縫合不全を来たさない完璧な吻合方法は存在し得ないこと,を経験している.そこで近年冠動脈疾患の治療に用いられつつある生体吸収性ステントを用いて,吻合部を一定期間補強し,臨床的縫合不全の発症を予防する事ができないかと着想を得た.ラットの大腸を意図的に穿孔,離断することで縫合不全モデルを作成し,大腸損傷部を生体吸収性ステントと生体吸収性ポリマー膜を用いて被覆し,その治療効果を検証する.上記をもとに,臨床的縫合不全の治療および予防を目的とした新規治療の開発を目標とする.

研究実績の概要

現代の大腸癌手術においても依然として2-19%の頻度で縫合不全が発生すると報告されており,縫合不全の発症予防は極めて大きな臨床的課題である事は不変である.縫合不全の予防および治療としては,一時的人工肛門造設術がしばしば行われる.縫合不全部から腸管内容が腹腔外へ漏出しなければ,吻合部が完全に形成されていない場合でも,縫合不全部は経時的に自然治癒により閉鎖され,病状が改善,治癒するという認識に基づくものである.その経過に着目すると,数ヶ月間,吻合部からの腸管内容の漏出が防止できれば,臨床的縫合不全は来たさないと考える事ができる.そこで冠動脈分野におけるステント治療で用いられる生体吸収性ステントに着目し,大腸癌手術における縫合不全の治療および予防に応用できないかと考えた.一定期間生体吸収性ステントにより腸管吻合部を補強することで,臨床的縫合不全の発症を予防する事が可能であるの検証実験を目的としている.冠動脈ステントは,狭窄した冠動脈の拡張を目的とし,網目状構造を有しているため,そのままでは腸管内容の漏出を防止できない.そのため,本研究では,生体吸収ステントを2層構造とし,2層間に生体吸収ポリマー膜を挟み込むことで腸管内腔を確保しつつ腸管内容の漏出を防止できる新しい消化管ステントの開発を目指す.縫合不全の治癒には一定期間の腸管内容漏出防止が肝要であることに着目し,消化管ステントに生体吸収性材料を用いるという点は,既存の報告もなく,新たな可能性を大いに秘めている.さらに,吻合部を一定期間拡張維持することにより,吻合部狭窄を予防する効果も期待できる.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

ラット直腸内への生体吸収性ステントの留置に伴うよる安全性の評価,および安全なステント留置における指摘条件の検証を計画していた.前年度と同様に,ステント留置が計画通りに行えていないため,実験計画全体においてに遷延が生じている.そのため,当初計画していたステント留置に伴う変化の組織学的検証なども行えていない.ステント留置方法の修正などについても引き続いて考慮し,その都度検証しつつ,実験の継続を図る.

今後の研究の推進方策

現状は,成果が得られていないが,検証実験の継続を行い,実験条件の探索,および方法の再評価と問題点の抽出,加えてデータの蓄積を地道に積み上げて行くこと方針である.本研究による新規治療法の開発意欲は申請時と同様に存在している.また,本研究結果によりもたらされる可能性がある利益としては,縫合不全が予防可能となれば手術の安全性向上や手術時の入院期間の短縮等にもつながり,医療経済へも貢献し得ると考えている.そのため本研究を前進させることに注力する.

報告書

(2件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 2022 実施状況報告書

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公開日: 2022-04-19   更新日: 2024-12-25  

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