研究課題/領域番号 |
22K16520
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分55020:消化器外科学関連
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研究機関 | 和歌山県立医科大学 |
研究代表者 |
水本 有紀 和歌山県立医科大学, 医学部, 博士研究員 (60596980)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2024年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 大腸癌 / がん免疫療法 / 樹状細胞 |
研究開始時の研究の概要 |
免疫チェックポイント阻害剤(ICI)が注目され、様々な癌種で用いられている。しかしICIを用いたがん免疫療法ではがん細胞を直接攻撃する細胞傷害性T細胞(CTL)の「質」と「量」が重要となる。我々は抗原提示細胞のうち、XCR1+樹状細胞により抗原提示を受けたCTLは効率的に誘導されることに着目し、がん抗原エピトープペプチドをXCR1+樹状細胞へ選択的に送達する新規コンセプトのがんワクチンシステムをマウスモデル構築した。さらに本治療法をヒトへと応用することでがん細胞を特異的に攻撃するCTLが大量に活性化され、ICIの新たなパートナーとなり、強力な新規免疫複合療法が確立されると確信する。
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研究実績の概要 |
新規がんワクチンを用いてin vitroでの免疫学的評価を行った。健常人のHLA:2402であるPBMCを用い、新規がんワクチンによる抗原特異的CTL誘導を検索した。HLA-A24陽性の健常人の末梢血から得られたPBMCに、XCL1-WT1連結ワクチンまたは比較群としてWT1のHLA-A24拘束性エピトープペプチド(CYTWNQMNL)を添加し、2%AB serum添加AIMVで48well flat bottom cell culture plateにて培養を行った。XCR1+DCをenrichする実験においては、同一検体より採取したPBMCからヒトXCR1+DCに相当するBDCA3+DCをMACSで単離してXCR+DCとして添加した。XCR1+DCをdepletionする実験においては、PBMCからMACSでXCR1+DCを除去したPBMCを用いた。3日毎にIL-2 (20IU/ml)と2%AB serumを添加したAIMVでHalf medium changeし、7日目に細胞を回収して得られたResponder細胞をStimulator細胞で再刺激を行た。Stimulator細胞は同一検体より採取したPBMCにWT1ペプチドまたはXCL1-WT1連結ワクチンを添加して放射線照射にて非動化し、Plateにまき上清を除去した接着細胞を用いた。14日目に培養細胞を回収してEffector細胞とし、WT1ペプチドをパルスしたA24+LCL細胞をTarget細胞として4hr51Cr-release assayにて特異的細胞障害活性を解析をおこなった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新規がんワクチンを用いるin vitroでの免疫学的評価を行うことに当初遅れが生じた。健常人のHLA:2402であるPBMCを用いたが、抗原特異的CTL誘導を評価する際に、コンタミネーションが生じたため正確な評価をすることに難渋した。また、大腸癌患者におけるPBMCの採集に関して、当初の計画より遅れが生じたために、次年度に実施する計画となった。
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今後の研究の推進方策 |
まず大腸癌患者のPBMCを採集することを最優先とする。収集できたら速やかに、XCL1-WT1連結ワクチンの大腸癌患者におけるin vitroの評価を行う。その結果を基に、2024年度に予定していた大腸癌患者における新規がんワクチンの効果予測と癌微小環境の検討を行う。
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