研究課題/領域番号 |
22K16530
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分55020:消化器外科学関連
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
松本 謙一 大阪大学, 大学院医学系研究科, 招へい教員 (60781721)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2024年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | 肝細胞癌 / 腫瘍血管 / エクソソーム / mRNA / 形質転換 / 腫瘍血管内皮細胞 |
研究開始時の研究の概要 |
近年注目されている治療標的の一つが腫瘍血管であり、多血性腫瘍である肝細胞癌において特に有効性が期待されている。当教室では、肝細胞癌での腫瘍血管内皮細胞に着目し研究を進め、腫瘍血管正常化に関連する遺伝子やエクソソームを介した前転移ニッチの形成などを報告してきた。 本研究では、肝細胞癌において腫瘍細胞由来腫瘍血管誘導因子が正常血管内皮細胞から腫瘍血管内皮細胞へ形質転化を惹起するという仮説に基づき、 腫瘍血管内皮細胞誘導因子の同定、さらには新規血管新生阻害薬の開発を目指す。
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研究実績の概要 |
腫瘍血管内皮細胞(Tumor endothelial cell: TEC)は,癌細胞の血行性転移や増殖に重要な役割を担っていると報告されている.TECは正常血管内皮細胞(Normal endothelial cell: NEC)が,外的因子の影響により,TECへと変化すると考えられているが,そのメカニズムについては依然として不明である.肝細胞癌において腫瘍細胞由来腫瘍血管誘導因子が正常血管内皮細胞から腫瘍血管内皮細胞へ形質転化を惹起するという仮説に基づき,腫瘍血管内皮細胞誘導因子の同定,さらには新規血管新生阻害薬の開発を目指す. 2022年度時点の研究結果は次のとおり:マウス癌細胞株BNLをNECあるいはTECと混合投与し,形成された皮下腫瘍の血管密度の経時的変化を検討した.皮下接種後7日目における皮下腫瘍の血管密度は,TEC群で29.2/1視野であり,NEC群で14.6/1視野であり,TEC群において血管密度は大幅に高値であった.しかし皮下接種後10日目においては,TEC群で32.4/1視野,NEC群で26.8/1視野であり,TEC群とNEC群との差が大幅に減少していた.次にin vitroにおいて,癌細胞のCondition Mediumの添加によるNECの増殖能および遊走能をProliferation assay,Wound healing assayにより検討した.Condition mediumの添加によりNECの増殖能および遊走能は,それぞれ1.4倍,2.2倍に増加した.以上の結果より,腫瘍細胞由来の腫瘍血管誘導因子によりNECからTECへの形質転化の可能性が示唆された.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度は腫瘍細胞培養上清による正常血管内皮細胞への影響を検討した.研究結果から,腫瘍細胞由来の腫瘍血管誘導因子によりNECからTECへの形質転化の可能性が示唆された.
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今後の研究の推進方策 |
腫瘍細胞由来腫瘍血管誘導因子がNECからTECへ形質転化を惹起している可能性が示唆された.今後はvitroにおいては腫瘍細胞培養上清中に含まれるエクソソームやmicroRNA等を検討していく予定である.vivoにおいては腫瘍細胞と正常血管内皮細胞の混合腫瘍から経時的に単離した血管内皮細胞の遺伝子発現解析を行う.次世代シークエンサーにて,正常血管内皮細胞, およびDay7, Day10における腫瘍中血管内皮細胞への経時的な遺伝子発現解析を行い,発現変化を認める遺伝子群の同定を行う.
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