研究課題/領域番号 |
22K16533
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分55020:消化器外科学関連
|
研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
武田 正 岡山大学, 医学部, 客員研究員 (20872980)
|
研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2024年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2023年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
|
キーワード | RNA editing / 大腸癌 / 肝転移 / バイオマーカー |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、大腸癌肝転移におけるRNA編集の意義を解析し、RNA編集をターゲットとした新しい肝転移治療戦略の構築を目指す。実臨床で痛感している大腸癌肝転移治療の限界を、RNA編集を対象としたバイオマーカーと治療戦略の構築で打破したい。 ①大腸癌肝転移におけるRNA編集の意義と、バイオマーカーとしての可能性を探究する。 ②大腸癌肝転移におけるRNA編集を低減させることで、新たな肝転移治療戦略を構築する
|
研究実績の概要 |
大腸がん(CRC)は、結腸または直腸における細胞の無秩序な増殖を特徴とする。CRCを含むさまざまな種類のがんの発生には、いくつかのメカニズムが関連している。興味深いことに、RNA編集は発がんを促進することが判明した。このように、RNA編集は悪性化に寄与する可能性があり、CRCにおける新規治療ターゲットとなり得る。本研究では、RNA編集がCRC患者の肝転移の発症に関与しているかどうかを分析することを目的とした。さらに、その治療への応用について検討した。解析対象は、肝転移切除後に肝転移を呈した患者83名である。その結果、CRCの肝転移患者において、ADAR1の高発現と肝転移切除後の残肝再発のリスクの高さとの間に関連性があることが示された。したがって、ADAR1発現量が高いCRCからの肝転移患者において、ADAR1発現量は、化学療法を含む多剤併用療法の良い指標となり得る。本研究は、肝転移切除後の残肝再発リスクの予測におけるADAR1発現の役割についてさらなるエビデンスを提供し、現在の医療従事者の正確な知識に基づく診療に貢献することができる。さらに、この結果は、CRC患者の管理と予後の改善を目指す今後の研究にも活用できる。 また、残肝再発においてRNA編集レベルが高いと言うことは、これをターゲットとすることで、残肝再発を抑制できる可能性がある。現在、RNA編集抑制剤の開発を進めており、これを投与すると残肝再発を抑制できるだろう。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本計画では、まず臨床サンプルの解析を行うことを第一目標、次に治療モデルの開発を第二目標に据えている。まず第一目標を完成しつつあるので、計画は順調に進展していると考えている。
|
今後の研究の推進方策 |
今後は、RNA編集阻害剤を用いた肝転移治療モデルの開発を進めていく予定である。まず、マウスモデルの構築を開始している。
|