研究課題/領域番号 |
22K16574
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分55040:呼吸器外科学関連
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研究機関 | 福島県立医科大学 |
研究代表者 |
武藤 哲史 福島県立医科大学, 医学部, 助教 (90722570)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2024年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2023年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2022年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | がん免疫 / 細胞老化 |
研究開始時の研究の概要 |
免疫チェックポイント阻害薬により進行・再発肺癌の治療成績は改善したが、長期的効果を得られる患者は50%以下であり、新しい複合がん免疫療法の開発が望まれる。一方で老化細胞の蓄積は抗腫瘍免疫を抑制することが知られている。そこで新たな治療標的として、腫瘍微小環境の老化細胞が分泌する老化関連分泌因子(SASP)に着目した。SASP は抗腫瘍免疫を弱めることが報告されているが、 SASP を抑えることでがん免疫療法の効果が高まるかどうかは分かっていない。そこでわれわれは老化細胞を除去することで、がん免疫療法の効果を高められるのではないかと考え、 まずは生体外で明らかにすることを目的とした。
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研究実績の概要 |
2022年度は、手術で摘出した非小細胞肺癌患者由来の腫瘍断片化フラグメントを作成し腫瘍微小環境モデルとし、そこへ免疫チェックポイント阻害薬や老化細胞除去薬を加えて免疫細胞の活性化を測定する実験系の確立を行った。 当初は単細胞に分離して腫瘍微小環境モデルとすることを試みたが困難であり、フラグメントのまま実験系とし、反応後に単細胞に分離することで、目的とする免疫細胞の活性化が測定可能となった。ただし小さな腫瘍断片から回収できる細胞数に限りがあり、そのため測定する免疫関連分子を限定せざるを得なかった。CD4 T細胞、CD8 T細胞それぞれにおけるICOS、OX40、4-1BBの発現について測定することとした。また回収した細胞の一部をセルブロックとし、老化細胞をβ-galactosidaseで染色し薬剤の効果について確認を行なった。その後症例を重ねデータ収集を行なった。 2023年度は、非小細胞肺癌の摘出腫瘍組織をフラグメント化し腫瘍微小環境モデルとし、そこへ免疫チェックポイント阻害薬や老化細胞除去薬を加えて免疫細胞の活性化に与える影響を測定した。その結果、少数例の検討ではあるが老化細胞除去薬による上乗せ効果を認める症例も確認された。 また外科的切除を行なった非小細胞肺癌症例の腫瘍組織をGLB-1染色し、無再発生存期間との関係について検討を行なった。その結果、腫瘍間質におけるGLB-1陽性細胞の有無が、無再発生存期間と有意に関係した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
症例数の確保にやや困難しているが、全体の計画としてはほぼ順調に進んでいる。
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今後の研究の推進方策 |
当初の計画通り、2024年度は様々な臨床病理学的因子との統計解析を行い、学会発表および論文作成を予定している。
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