研究課題/領域番号 |
22K16587
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分55050:麻酔科学関連
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
大西 詠子 東北大学, 大学病院, 講師 (10822265)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2024年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2023年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2022年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | シミュレーション実習 / デジタルトランスフォーメーション / 教員の負担軽減 / 医学教育 / 拡張現実 / シミュレーション教育 / 麻酔科 / プロジェクションマッピング / チーム医療 / 仮想現実 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、仮想現実や拡張現実を含むクロスリアリティ(XR)技術を用いた次世代型シミュレーション教育を、学術的な検証に基づいて構築することで、今後の多様な実習形態に対応できるリアルで質の高い臨床実習システムの提供を行う。学生のパフォーマンス向上に効果的なXR空間を検証し、あらゆる臨床実習に応用できる次世代の医学教育プラットフォーム”X-Sim(クロスシム)”の基盤を確立する。
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研究実績の概要 |
プロジェクターを用いた麻酔科シミュレーション実習について、有効性を評価し論文投稿を行った。 シリアスゲームによる全身麻酔シミュレーションの開発、および国内・海外特許申請(2023- 84453)を行った。さらに、ゲームベースラーニングの有効性を検証するために、ゲームによる学習をとり入れた学生と、従来通りのスケジュールの学生とで、最終日のシミュレーション実習のスコアに差が出るかを後ろ向きに検証した。ゲーム群では、気道管理のスコアが向上した。特に、麻酔導入(酸素投与から気管挿管まで)の中で、「意識消失後に速やかにマスク換気を行う」の項目は、ゲーム群で優位に高かった。スキルトレーニングの中で、手技の手順に関するトレーニングには有効である事がわかった。 シリアルゲームは東北大学工学部と共同研究で開発している。今後はシナリオを増やして、学習効果を検証する予定でいる。 申請者は、2022年度に医学教育に関する商品を扱う会社を起業している。大学発のベンチャー企業である。学術的に評価し、特許取得を行なった研究については、社会実装のためにベンチャー企業と大学が共同で進めていくことになる。 これらのデジタルデバイスを駆使した麻酔科実習システム(クロスシム)について、まずは麻酔科のシミュレーション実習で使用している。今後は各診療科での利用を目指して改良し、よりスムーズでリアルなシミュレーション実習、教育コンテンツとなるように改良を進める。テクノロジーを利用する意図は、学生のコンピテンシー取得、学習意欲向上、行動変容を促す目的があるが、医師の教育に対する負担軽減も目的の一つである。クロスシムを利用することで、これらの成果が向上するかを評価していく予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
予定していたシステムの構築は終了した。今後は新たな教育システムを使用することの有効性を評価していく。
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今後の研究の推進方策 |
1)クロスシムを使用した麻酔科シミュレーション実習は、wifiを持ちた学生と教員のやり取りをベースとしている。学生のログが残ることで、学習の振り返りを効率よく行うシステムである。本システムを使用することで振り返りがスムーズに行えるか、学生のモチベーションが維持されるか、コンピテンシー獲得に貢献できるかを検証したい。
2)麻酔ゲームの有効性の評価は、ゲームのプログラムを改良してから行う。まずは、さまざまなコンテンツを制作し、どのようなコンテンツが有効か、ゲームの利用法、学習効果を検証する。学生だけでなく、研修医や若手医師を含めた教育用シリアスゲームとして開発を進めたい。現在、連携を予定している企業と共同研究について話し合いを持っている。今後は企業も含め産学連携として進めていく予定である。
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