研究課題/領域番号 |
22K16592
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分55050:麻酔科学関連
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研究機関 | 札幌医科大学 |
研究代表者 |
濱田 耕介 札幌医科大学, 医学部, 研究員 (20806799)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2024年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2022年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | アクアポリン / 脳浮腫 / 周術期管理 / 麻酔薬 / AQP4 / レミマゾラム |
研究開始時の研究の概要 |
周術期における脳浮腫は致命的であるが、予防法や治療は限られている。水チャネルとして知られるアクアポリン(AQP)のうちAQP4は脳に多く局在して脳浮腫との関連が知られている。しかし、麻酔薬によるAQP4への作用は、明らかになっていない。周術期において麻酔薬によってAQP4の働きを調整、制御することができればより簡便で安価な脳浮腫予防策となり得ると考えた。そこで本研究では、吸入麻酔薬であるセボフルラン・デスフルラン、静脈麻酔薬であるプロポフォール・新しい麻酔薬であるレミマゾラムに注目し、培養細胞でのAQP4の発現量の誘導、AQP4リン酸化への作用、動物モデルでの脳浮腫軽減効果を明らかにする。
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研究実績の概要 |
周術期における脳浮腫は致命的であるが、予防法や治療は限られている。水チャネルとして知られるアクアポリン(AQP)のうちAQP4は脳に多く局在して脳浮腫との関連が知られている。しかし、麻酔薬によるAQP4の機能に対する作用は、吸入麻酔薬・静脈麻酔薬にかかわらずほとんど明らかになっていない。わたしはこれまでAQP4と脳浮腫の研究を行ってきたが、周術期において麻酔薬によってAQP4の働きを調整、制御することができればより簡便で安価な脳浮腫予防策となり得ると考えた。また、AQP4の発現量の増加により神経炎症が軽減することから、AQP4を制御することによって術後の認知機能低下を予防できる可能性がある。そこで本研究では、吸入麻酔薬であるセボフルラン・デスフルラン、静脈麻酔薬であるプロポフォール・新しい麻酔薬であるレミマゾラムに注目し、培養細胞での AQP4の発現量の誘導、AQP4リン酸化への作用、動物モデルでの脳浮腫軽減効果を明らかにする。 静脈麻酔薬におけるAQP4への影響を明らかにするために、プロポフォールおよびレミマゾラムを投与させたときのAQP4タンパク質発現量を、ウエスタンブロッティング法を用いて計測した。さらに、低浸透圧暴露条件下での細胞の膨化を、各静脈麻酔薬の暴露下で測定し、脳浮腫への影響を調べた。 さらに、AQP4リン酸化への作用を明らかにするためにリン酸化経路の特定を行っているが、AQP4リン酸化抗体を今後作成予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
Covid-19感染状況により研究に使用する物資や抗体・試薬などの供給の遅れや、他業務多忙による研究時間の減少のため。
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今後の研究の推進方策 |
<麻酔薬とAQP4リン酸化> セボフルランのAQP4阻害作用の機序を明らかにするために、ラットのアストロサイト培養細胞株にセボフルランを暴露し、AQP4の活性化と細胞内局在に関与するといわれているリン酸化されたAQP4の抗体を用いて、ウエスタンブロッティング法を用いてそのタンパク質量計測する。これらの結果から、セボフルランによるAQP4阻害作用の機序がAQP4のリン酸化に関与しているかどうかを明らかにする。また、静脈麻酔薬においても同様にAQP4のリン酸化の関与を考察する。 <ラット脳浮腫モデルへの麻酔薬投与とAQP4> 上記のin vitroでの研究をふまえ、in vivoでの研究としてラット脳浮腫モデルを作成し、脳浮腫の形成を体重当たりの脳重量及びMRIで評価する。吸入麻酔薬および静脈麻酔薬の投与に伴うAQP4タンパク質の発現量、脳浮腫の形成をそれぞれ比較する。また行動実験を行うことで麻酔薬暴露による認知機能を評価する。
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