研究課題/領域番号 |
22K16610
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分55050:麻酔科学関連
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
出口 浩之 新潟大学, 医歯学総合病院, 特任助教 (30804562)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2023年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2022年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
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キーワード | 脊髄後角 / 炎症性疼痛 / GABA / 免疫組織学実験 / 電気生理学実験 / パッチクランプ記録 / 電気生理学実験・ / レミマゾラム / 疼痛 |
研究開始時の研究の概要 |
近年、超短時間作用型の静脈鎮静薬としてレミマゾラムの製造販売が新規承認され、世界に先駆けて初めて臨床での使用が開始された。その作用機序は脳内のGABAA受容体に作用するためと考えられている。 一方、このGABAA受容体は脳だけでなく痛覚伝導路である脊髄後角に多く発現していることが知られているため、レミマゾラムには鎮静作用の他に鎮痛効果を発揮する可能性が推測されるが、これまでレミマゾラムの鎮痛効果について着目した研究はない。 本研究では「レミマゾラムが脊髄後角のGABAA受容体に作用し鎮痛効果を発揮する」か、行動学、免疫組織学、電気生理学実験により多角的に検討する。
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研究成果の概要 |
本研究では脳のγアミノ酪酸(GABA)受容体に作用し鎮静効果を示すレミマゾラムが、GABA受容体が多く発現する痛覚伝導路の脊髄後角に作用し、脊髄レベルで鎮痛効果を示すか検討した。 行動学実験において、レミマゾラムの脊髄くも膜下投与により炎症性疼痛モデルラットの痛み閾値は改善し、免疫組織学実験では痛み刺激に対し発現するリン酸化extracellular signal-regulated kinase陽性細胞数の発現は減少した。脊髄後角でのin vitroパッチクランプから、レミマゾラムは脊髄後角のGABA受容体を介し、抑制性の作用を増強することで鎮痛効果を発揮することが明らかになった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
レミマゾラムは静脈鎮静薬として世界に先駆けて初めて日本で臨床での使用が開始された。そのため、その作用機序に関しては十分な研究は行われていないのが現状である。当然のことながら、レミマゾラムの鎮痛効果について着目した研究はこれまでになく、本研究では鎮静薬であるレミマゾラムが、脊髄後角のGABA受容体に作用し鎮痛効果を発揮することを明らかにした世界で最初の研究といえる。さらに本研究ではin vitro脊髄標本による電気生理学実験を用いたが、この手法が行える施設は世界的にも非常に数が少なく、複合的な実験を組み合わせ検討した点において意義が高い研究と考える。
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