研究課題/領域番号 |
22K16617
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分55050:麻酔科学関連
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
寅丸 智子 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 助教 (70594612)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2024年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 病的疼痛 / 慢性疼痛 / 中枢性感作 / 複合性局所疼痛症候群 |
研究開始時の研究の概要 |
複合性局所疼痛症候群(CRPS: Complex Regional Pain Syndrome)は、末梢組織損傷に続発する強い疼痛や自律神経障害を伴う疾患群である。中でも頻度の高い術後 CRPSにおける中枢性感作への進展は機序が不明であり、予防・治療法の確立の妨げとなっている。そこで本研究では、術後急性痛モデルに局所血行障害を組み合わせた 独自のマウス術後 CRPS モデルを確立し、術後 CRPS での症状遷延化の要となる中枢性感作への過程を明らかにする。要となる領域の神経活動を制御することで、機序の解明と新たな予防法、治療法への展開を模索 する。
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研究実績の概要 |
マウス病的疼痛モデルとして、坐骨神経の枝である総腓骨神経および脛骨神経を結紮するspared nerve injury(SNI)モデルを用いた。痛覚過敏誘発試験としてvon Frey試験、アセトン試験を行い、モデルが正しく作成できているかを評価した。痛覚過敏誘発試験後に、セボフルラン2-5%で全身麻酔をかけた後、心尖部穿刺よりPBSで血液を洗い出し、4%パラホルムアルデヒドでマウスを灌流固定し、脳組織を摘出した。脳を1mmのスライスに切断し、ScaleS技術を用いて脳組織透明化を行い、直近の神経活動の痕跡を表すマーカーArc(Synaptic Systems社, 156003, 1:500)を標的に蛍光免疫染色を行なった。共焦点顕微鏡(FV3000, エビデント社)を用いて3次元的な画像再構築により脳全体の神経活動を網羅的に解析した。 歯状回におけるArcを標的とした蛍光免疫染色では、sham群、SNI群いずれもArc陽性神経細胞が多く認められたが、SNI群においてArc発現が顕著であった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初予定していた術後複合性局所疼痛症候群(CRPS: complex regional pain syndrome)モデルは、モデルの安定性を図るのが困難で、従来のCRPSモデルとして報告されているSNIモデルを用いることとした。SNIモデルは手技が確立されており、簡便で、痛覚過敏誘発試験の結果も安定していた。
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今後の研究の推進方策 |
脊髄後角にneuro tracerを打ち、マウスSNIモデルの痛覚過敏に関わる、脳内へと繋がる経路を模索する。 脳内での関連する部位が明らかとなったら、アデノ随伴ウイルス(AAV: adeno-associated virus)により、同SNIモデルマウスの標的神経において、神経活動マーカーc-Fos 依存的な人工生物発光システム AkaBLI を用いた、中枢神経活動の可視化を行う。マウスSNIモデルにおいて、温冷刺激および機械刺激時など、痛みエピソードに特化した神経活動の非侵襲的かつ経時的な可視化を行い、標的神経の中枢性感作への関与を明らかにする。さらに、標的部位を含む脳組織を採取し、ScaleS 法にて病的疼痛に関与している神経群を細胞レベルで同定する。
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