研究課題/領域番号 |
22K16618
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分55050:麻酔科学関連
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研究機関 | 昭和大学 |
研究代表者 |
山村 彩 (池田彩) 昭和大学, 医学部, 講師 (00645517)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 開口障害 / 3D解析 / 顎関節 / 全身麻酔 / 開口制限 / 顎顔面形態 / 挿管困難 |
研究開始時の研究の概要 |
覚醒時に開口障害のない患者でも全身麻酔導入後に開口が障害され、予期せぬ挿管困難症例となることがある。 全身麻酔導入後の開口量変化、頸椎位による開口量変化を検討する。既存の術前気道評価にはない顎顔面形態の特徴に注目した術前気道評価を行い、開口制限の予測因子としての有用性を評価する。最終的にはマスク換気や気管挿管を妨げない新規の口腔内装置の開発と開発した新規口腔内装置が麻酔導入後の開口障害を減少しうるか検討する。
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研究実績の概要 |
2022年度は全身麻酔導入後の開口量減少と頸椎位による開口量変化、全身麻酔導入後の開口制限を予測する解剖学的特徴を示す侵襲のない指標について検討した。術前評価項目は覚醒開口量、頸椎中間位と後屈位の頤隆起移動距離、頤甲状軟骨間距離、Submandible Angle、顎関節症の有無、上口唇咬合テストとした。全身麻酔導入後に、開口量に影響する鎮静度や筋弛緩状態の影響を排除した条件下で、下顎挙上併用指交差法により頸椎中間位と後屈位の開口量と後屈角度を計測した。 全身麻酔導入後に開口量が減少し後屈位で改善した。開口障害には下顎形態や可動性が寄与すると予測したが、今回の術前評価項目では開口量変化の予測は不可能であった。頸椎後屈により顎関節滑走運動が容易になり開口量が改善するが、今回注目した術前評価項目は全身麻酔下での滑走予測には適切ではない可能性がある。開口は顎関節の三次元的な運動であり、二次元的な計測ではその予測が困難であることが示唆された。 以上の結果を2023年日本麻酔科学会で発表した。
2024年度は開口運動を3次元的に分析するシステム構築を目指し研究を開始した。健康成人を対象に臥位での開口運動の運動学的特徴を明らかにすることを目的とした。健康成人25名を対象とし、被験者の顎関節周囲体表皮膚の7カ所に反射マーカーを貼付した。仰臥位頭部中間位及び後屈位の姿勢で、1被験者当たり5回ずつ開口動作を行った。それに対して3台のハイスピードカメラにて同時撮影し、得られた動画データは専用のソフトウェアに取り込み、各マーカーの動きを3次元上で現した。今回の検討で、開口量の変化と下顎頭変位を解析可能なシステムを構築した。意識下自力開口条件では、頸椎後屈により顎関節は下顎頭変位が増加し開口量が増加する可能性が示唆された。 以上の結果を2024年度日本麻酔科学会で発表予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
健康ボランティアを対象としたデータの収集は終了した。3Dデータ情報が膨大であり、一部のデータ解析は終了したがすべてのデータ解析はまだできていない状況である。今後全身麻酔導入後の患者の開口時顎運動運動解析を予定しているが、現時点でまだ研究が開始できていない。健康ボランティアの解析終了後に開始する予定である。
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今後の研究の推進方策 |
今後は全身麻酔導入後の患者の開口時の顎運動解析を行う。開口3D解析は機材セッティングと撮影を短時間で完了させることは難しい。 気管挿管を行うタイミングでの開口・顎関節運動解析は困難であるため、すでに挿管された全身麻酔導入後の患者を対象とした解析を行う予定である。具体的には経鼻挿管患者を対象とする。 2024年度は全身麻酔導入後の顎運動解析を行い、本年度収集した、意識下での顎運動解析の結果と比較検討を行う。
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