研究課題/領域番号 |
22K16620
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分55050:麻酔科学関連
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研究機関 | 関西医科大学 |
研究代表者 |
楠 宗矩 関西医科大学, 医学部, 助教 (10714917)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
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キーワード | 静脈麻酔薬 / デクスメデトミジン / インスリン分泌 / パッチクランプ |
研究開始時の研究の概要 |
鎮静薬として集中治療の現場で多用されているデクスメデトミジン (dexmedetomidine: DEX) は青斑核のα2アドレナリン受容体に作用し鎮静効果を発揮する。一方で、DEXが膵β細胞からのインスリン分泌を抑制することが報告されているが、その詳細な分子メカニズムは明らかではなくその機序を解明することが本研究の目的である。細胞生物学・電気生理学・蛍光顕微鏡によるイメージングを統合した手法で解明していく研究計画である。DEXがインスリン分泌を抑制する作用機序の解明に加えて、臨床使用において生体のグルコース代謝に与える影響の新たな知見の獲得を目指す。
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研究成果の概要 |
静脈麻酔薬デクスメデトミジン(DEX)がインスリン分泌に与える影響について、細胞生物学・電気生理学的手法を用いて明かにしてきた。DEXが細胞障害や代謝に影響をきたさずインスリン分泌を抑制することを示し、さらに濃度反応曲線を作成し、臨床使用濃度との関連性を示した。電気生理学的実験では、DEXがインスリン分泌に関与する複数のチャネルに影響を与えないことを明らかにした。 DEXがインスリンの主要な分泌経路であるATP感受性Kチャネルとは異なる経路に作用すること、つまりα2アドレナリン受容体あるいはインスリン小胞の輸送や開口分泌に影響を与えることによりインスリン分泌を抑制する可能性を見出した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
適切な血糖コントロールは周術期や救急医療における重要課題の1つであり、グルコースの代謝バランスやインスリン分泌制御の解明は医学上の大きな課題である。静脈麻酔薬デクスメデトミジンがインスリン分泌を抑制することは過去の研究で報告されているが、詳細な分子機序の解明は不十分である。本研究で得られた知見はその機序の一部を明らかにするものであり、臨床使用における患者への影響を考える上で非常に重要である。 麻酔・集中治療の現場で使用されているDEXの生体への作用の理解につながり、製剤の適応また限界を明らかにする手掛かりを与えられることが期待される。
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