研究課題/領域番号 |
22K16631
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分55060:救急医学関連
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
山元 良 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 助教 (90528853)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2023年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2022年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
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キーワード | 腸管虚血 / 水素ガス / 虚血再灌流 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の目的は、重要課題であるにも関わらず特異的治療薬の存在しない腸管虚血に対する新規治療を見出すことである。研究代表者は、以前より精力的に〝水素ガス吸入療法〟に関する研究を行い、心停止後症候群に対する本邦初のランダム化比較臨床試験の実施や、吸入した水素ガスが血流に依存し体内分布する事実の解明に至った。さらに、水素ガス吸入が腸管粘膜の幹細胞の保護作用を持つ可能性を見出している。本研究は、ガス吸入という独創性の高い治療開発研究であり、すでに人体に無害であることが証明されているガスを利用することから、実現可能性も極めて高いといえる。
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研究成果の概要 |
腸管虚血状態では小腸絨毛上皮が障害の首座であることに対して、再灌流障害ではそれに加えて腸陰窩部分の細胞の障害が強いことが観察された。また、水素ガス吸入によって、小腸の組織障害の程度が軽減される部位が腸陰窩部分であることが観察された。この位置には腸幹細胞が位置しており、腸幹細胞に特異的はLGR5にたいする免疫染色の結果、再灌流で障害される細胞が腸幹細胞であることが示唆された。また、水素ガス吸入モデルでは、同部位の細胞障害は軽減され、水素ガス吸入による腸幹細胞の虚血再灌流障害の軽減が示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究によって、水素ガスは腸管の虚血再灌流障害においても保護作用があることが示唆された。また、その作用は腸幹細胞である可能性が高いことを示唆する所見も得られた。腸管虚血再灌流障害は特異的な薬剤治療は存在しないため、水素ガスが新規治療としての可能性を持つことが示された。研究計画当初予定していた臨床研究に関しては、基礎的研究の時間を要したことから、取り組むことができなかったが、臨床研究へ移行し、新規治療薬の開発に進めることができる結果を得られた。
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