研究課題/領域番号 |
22K16647
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分55060:救急医学関連
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研究機関 | 東京慈恵会医科大学 |
研究代表者 |
太田 裕貴 東京慈恵会医科大学, 医学部, 講師 (70408376)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2027-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2026年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2025年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2024年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2023年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 救急医療 / 再生医療 / 挫滅症候群 / MRスペクトロスコピー / 幹細胞治療 / 間葉系幹細胞 |
研究開始時の研究の概要 |
大地震やテロにより建物が倒壊した際、救助までの時間が長ければ長いほど挫滅症候群(CS)の罹患率が高くなる。CSは診断が遅れると致命的となるため、早期診断・早期治療が重要である。しかしCSに対しては未だ確たる診断法が確立されておらず、客観的で信頼性の高い診断及び有効な治療法の開発が必要である。 我々はCSに対するMRスペクトロスコピー法(MRS)を用いた診断法研究で、CSモデル動物においてMRSが下肢筋組織の虚血性変化を鋭敏に反映し、CSの早期診断に有用である可能性を見出した。 そこで本研究では、MRSを主要評価系として、CSモデル動物を用いた細胞治療等の有効性と投与方法を検証する。
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研究実績の概要 |
本研究の目的は、挫滅症候群(CS)の早期診断と有効な治療法の開発を行うことである。我々はこれまでにMRI装置を用いたMRスペクトロスコピー法(MRS)がラットCSモデルにおいて下肢筋組織の虚血性変化を鋭敏に反映し、超早期診断に有用であることを報告している(Ohta H et al., Diagnostics, 2021)。そこで本研究はCS受傷後の筋組織の回復過程である急性期から慢性期においてもMRSが有用な診断ツールになり得るのか、及びCSに対する有効な治療法を探索するものである。 2年目の研究では、以下の実績を達成した。 1. CSラットモデルの長期的評価方法の確立:1年目はCSラットモデルの急性期変化をMRSにて評価する方法を確立したが、今年度は下肢筋組織の回復課程を長期的に観察し、MRSおよび血液検査により客観的なデータ収集方法を確立した。さらに、電子顕微鏡およびHE染色などの組織学的検査法を用いた評価方法のプロトコルを構築した。 2. CSラットモデルの筋組織回復率:モデル作製2週間後、MRSと動脈血採血検査を行ったところ、無治療群においては下肢筋組織のダメージが完全に回復していないことが明らかになった。 3. 効率的な間葉系幹細胞収集および培養上清液の取得:間葉系幹細胞培養による効率的な細胞収集方法の確立に成功し、大量の細胞を安定して収集できるようになった。さらに、間葉系幹細胞培養により生じた培養上清液の取得方法を確立し、培養上清液を用いた治療研究の基盤を築いた。 これらの実績により、CSの治療における早期診断および治療法の開発に向けた重要な基盤が築かれた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2年目はCSラットモデルの長期的評価方法の確立、CSラットモデルの筋組織回復率、効率的な間葉系幹細胞収集および培養上清液の取得に成功し、より充実した研究環境が整った。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、間葉系幹細胞および間葉系幹細胞培養上清液をはじめ、あらゆる治療介入による効果の検証を行い、臨床応用を見据えた研究を一層進めていく予定である。
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