研究課題/領域番号 |
22K16658
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分56010:脳神経外科学関連
|
研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
松本 悠司 岡山大学, 医学部, 客員研究員 (20929327)
|
研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2023-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2024年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
|
キーワード | annexin A2 / oncostatin M receptor / 微小環境 / 膠芽腫 / 抗腫瘍免疫応答 |
研究開始時の研究の概要 |
様々な癌腫で有効性を示してきた免疫チェックポイント阻害薬だが、膠芽腫においてはその効果を示すことが出来ていない。その理由の一つとして、膠芽腫では骨髄系細胞が免疫チェックポイント阻害薬の効果を減弱させることが分かってきた。本研究では、膠芽腫においてannexin A2(ANXA2)が骨髄系細胞の浸潤に関与し抗腫瘍免疫応答を抑制する微小環境を形成すること、さらに骨髄系細胞とANXA2-oncostatin M receptor (OSMR)経路が正のフィードバック機序を形成するという腫瘍エコシステムの機序を検証し、免疫チェックポイント阻害薬の効果改善を目的とする。
|
研究実績の概要 |
公共のデータセットを用いた解析では、膠芽腫のsubtypeの中で最も予後不良なmesenchymal subtype、ANXA2高発現患者それぞれで骨髄系細胞の浸潤が多いことが分かった。また、免疫染色を用いた自施設膠芽腫患者の解析でも、ANXA2およびOSMRの発現と腫瘍関連マクロファージの浸潤は相関が認められた。更に、ヒト膠芽腫組織を用いたsingle cell RNA-seq解析よりOSMや免疫抑制系細胞のCCL2は主に骨髄系細胞から分泌され、ANXA2-OSMR経路は細胞外からのOSM依存性にANXA2の発現を増加させ正のフィードバックループを形成することが分かった。これらの結果により、ANXA2-OSMR経路は骨髄系細胞に作用して抗腫瘍免疫応答を抑制する微小環境を形成し、さらに骨髄系細胞とOSMを介して正のフィードバックループを形成しこの経路をより活性化することが示唆されている。 現在、患者由来膠芽腫幹細胞に対してウイルスベクターを用いてANXA2を恒常的に過剰発現した細胞およびOSMRを発現抑制した細胞を樹立し、これらをヒト化マウスおよびC57Bl/6マウスに移植し、免疫染色およびflow cytometryを用いて免疫細胞の浸潤を評価をしている段階である。また、ヒト末梢血単核細胞から分化させたマクロファージやヒト単球細胞株、マウス骨髄系細胞株などを準備しており、ANXA2過剰発現膠芽腫細胞、OSMR発現抑制膠芽腫細胞を用いてtranswell assayを行い、マクロファージやマイクログリアの遊走能の変化を評価中である。
|