研究課題/領域番号 |
22K16671
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分56010:脳神経外科学関連
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研究機関 | 日本医科大学 |
研究代表者 |
亦野 文宏 日本医科大学, 医学部, 講師 (70557511)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2025年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2024年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | もやもや病 / 甲状腺機能亢進症 / RNF213 |
研究開始時の研究の概要 |
日本人もやもや病の80%以上に発現するRNF213 c.14576G>A遺伝子変異は、20%以上の動脈硬化性内頸動脈狭窄症に関与する。一方、もやもや 病と鑑別を要する内頸動脈狭窄症には両者の鑑別が困難な症例があるが、RNF213を含めた分子遺伝子学的解析はなされていない。本研究では、『甲状腺機能亢進症によるもやもや病類似血管狭窄症は遺伝子変異の観点からもやもや病と類似性が高いのでは?』を見出した。5,256アミノ酸、69エクソン部位別と臨床的特徴との関係をも解析し、RNF213の自己免疫性疾患における機能解析を行う。RNF213は関連疾患も多彩で世界的波及効果が望める。
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研究実績の概要 |
もやもや病はアジア人に多発する原因不明の両側性内頚動脈終末部閉塞性疾患である。近年、17 番染色体にあるRNF213 遺伝子の4810番目のアルギニンがリジンに代わる遺伝子多型(p.R4810K)が原因であることが判明したが、一方で、もやもや病類似の血管狭窄を来す様々な疾患が知られており、若年性頭蓋内血管狭窄性病変の鑑別診断は容易でない。厚生労働省特定疾患治療研究事業の診断基準においても、除外する基礎疾患として、自己免疫疾患、ダウン症候群、レックリングハウゼン病、脳腫瘍、動脈硬化、頭部外傷、放射線治療等があげられている。また、甲状腺機能異常により 2 次的にもやもや病に類似した頭蓋内血管狭窄病変が生じると考えられているが、実際にこれらの病態がもやもや病と本質的に異なるものであるか検討された報告は現在までになく、本研究はもやもや病の診断基準の除外項目となる疾患を併存する頭蓋内内頚動脈狭窄症症例と、もやもや病の症例の遺伝子RNF213の解析を行い、その観点からの相違を見出す事である。本研究は観察研究であり。もやもや病と頭蓋内内頚動脈狭窄症を研究対象者とし、遺伝子解析を行い、比較するコントロール集団として年齢、性別、背景などの情報をマッチさせた内頚動脈狭窄症の無い内頚動脈瘤の患者を対象とする。目標症例数は100例である(もやもや病50例、頭蓋内内頚動脈狭窄症50例)。コントロール群はもやもや病、頭蓋内内頚動脈狭窄症を持たない内頚動脈瘤の患者100例を予定している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本研究の実施に際し、当院倫理委員会に申請を行った。倫理委員会からの許可申請に時間がかかってしまい若干研究の進行が遅れている。現時点ではもやもや病および2次性血管狭窄の症例の蓄積を開始した段階であり、当院及び関連施設において症例へのインフォームドコンセントを行い、少しずつ症例を蓄積している段階である。具体的にはMagnetic resonance angiography (MRA)、 3 次元 CT 血管撮影 (3DCTA)、脳血管撮影で確認された20歳以上の下記疾患で、各研究機関の外来で発見され、同意を取得した、もやもや病症例、頭蓋内内頚動脈狭窄症症例、頭蓋内内頚動脈狭窄症の無い内頚動脈瘤症例である。 またもやもや病、血管障害関連、内分泌関連の学会に出席し同テーマに関する知見を得ている。
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今後の研究の推進方策 |
引き続き対象となる症例の蓄積を当院、及び関連協力施設で行う。研究対象候補者から同意が得られた後に研究対象者の頭蓋内内頚動脈狭窄の具体的な部位、程度、もやもや血管の有無に加え年齢、性別や生活習慣病、免疫不全症などの既往、また喫煙歴、飲酒歴などの生活習慣の背景を群間で比較検討する。主な検査は採血によって得られる遺伝子情報であり、採血は研究対象者から同意が得られた後、研究対象者が日常診療で採血を行うタイミングで行う。
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