研究課題/領域番号 |
22K16682
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分56010:脳神経外科学関連
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研究機関 | 静岡大学 |
研究代表者 |
福司 康子 静岡大学, 電子工学研究所, 学術研究員 (50722683)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2025年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2024年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 神経保護 / 脳電気刺激 / 三叉神経 / 脳血流 / 脳梗塞 / ミトコンドリア脱共役蛋白質 / 脳虚血 / 三叉神経第一枝 |
研究開始時の研究の概要 |
中大脳動脈閉塞後に小脳室頂核(FN)の電気刺激を行うと梗塞巣が縮小する。申請者は、FN電気刺激がコリン作動性の経路を介して大脳皮質に作用し、ミトコンドリアK+ATPチャネルを開口することでUCP4の発現が誘導され、神経保護に働くことを明らかにした。しかしながらFN電気刺激はその侵襲性から臨床への応用が困難である。そこでFN電気刺激と同様の作用かつ侵襲性の少ない方法として、三叉神経第一枝の経皮的電気刺激に着目した。本研究では、三叉神経第一枝の電気刺激によりUCP4の発現が誘導されるのか、脳梗塞領域が小さくなるのか、を明らかにして、三叉神経第一枝の電気刺激による神経保護効果を検証する。
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研究実績の概要 |
小脳室頂核(FN)電気刺激に代わる侵襲性の低い方法として三叉神経第一枝(TNV1)の電気刺激を検討している。今年度は刺激条件の最適化を行った。 (1)刺激電極の検討 ラットにおいてFN電気刺激によって血圧上昇がみられることから、TNV1刺激による血圧変動を観察した。皮下刺激としてニードル型、コークスクリュー型、さらに低侵襲な経皮的刺激として皿型電極を用いて、ラットにTNV1刺激を行った。個体差はあるものの、皮下刺激では1.0 mA以上、経皮的刺激では2.0 mA以上の電流刺激で血圧上昇が観察された。経皮的刺激の方が高い電流強度が必要であるが、今後ヒトへの適用を考慮し、侵襲性の低い経皮的刺激を進めることとした。皿型電極を用いた場合、刺激が広範囲となることから、電極の配置位置がTNV1刺激の効果に与える影響を検討している。 (2)刺激条件の最適化 刺激パラメーターと脳血流の関係を明らかにした。まずパルス幅0.5 msec、電流強度2.0 mAの一定条件下で周波数を変化させてTNV1刺激を行った。周波数10-30 Hzの場合、脳血流が有意に上昇したが(p<0.05, n=4)、50-100 Hzでの脳血流上昇率は小さく有意差が観察されなかった。そこで周波数20 Hz、パルス幅0.5 msec、電流強度2.0 mAでTNV1刺激を行うと、脳血流、血圧および心拍数の上昇が確認された。これらの結果は、TNV1刺激の最適条件を決定する上で重要な手がかりとなる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
三叉神経第一枝の電気刺激を行うことで、血圧・心拍数・脳血流の上昇を観察することができたことから、おおむね順調に進展していると判断した。
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今後の研究の推進方策 |
脳梗塞モデルラットを作製し、三叉神経第一枝電気刺激の最適な刺激時間を決定する。刺激あり・なしでの梗塞巣を比較する。
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