研究課題/領域番号 |
22K16691
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分56010:脳神経外科学関連
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
藤本 健二 熊本大学, 病院, 医員 (70844413)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2024年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | PCNSL / PDXモデル / メソトレキサート耐性 / 中枢神経原発悪性リンパ腫 / メソトレキサート / 治療抵抗性 |
研究開始時の研究の概要 |
中枢神経原発悪性リンパ腫 (PCNSL)は中枢神経系に限局した節外性リンパ腫で、大量メソトレキサート (HD-MTX)療法を基盤とする化学療法と放射線治療により一旦は寛解状態となるも、ほとんどの症例で再発をきたす。再発時にはHD-MTX療法耐性例が少なくなく、再発時治療は確立されていない。この耐性獲得機序を解明するにはPCNSL患者由来細胞株やマウス脳腫瘍モデルが必須だが、まだ適切なモデルは確立されていない。従って本研究ではPCNSLの細胞株や脳腫瘍モデルでPCNSLのMTX耐性モデルを確立し、その耐性機序を明らかにした上で、HD-MTX耐性獲得後の有効な新規治療法を開発することを目的とする。
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研究実績の概要 |
悪性脳腫瘍である中枢神経原発悪性リンパ腫(PCNSL)の標準的治療は寛解導入療法としての大量メソトレキサート(HD-MTX)療法を基盤とする化学療法と、それに続く地固め療法である。一旦寛解しても再発率は非常に高く、その際にはHD-MTX基盤化学療法を再チャレンジすることが多い。 本研究ではPCNSLの細胞株やPatient-derived xenograft (PDX)モデルを作成し、それを用いてMTX耐性モデルを確立する。MTX耐性機序を明らかにし、さらにMTX耐性獲得後のPCNSLに対する新規治療法を開発することを目的とする。 今年度は、自施設でPCNSLの細胞株やPDXモデルを樹立すると同時に、横浜市立大学脳神経外科の立石健祐先生を中心とするグループから3株のPCNSLのPDXモデルを共同研究として供与して頂いた。同PDXモデルはいずれもPCNSLに特徴的なMyD88 mutationを有していた。MTX耐性モデルを樹立するために、マウス脳内にPCNSL細胞株を移植することでPDXモデルを作成し、その後、マウスに十分量のMTX投与およびロイコボリン救援による治療を行った。さらに、その腫瘍を他のマウスに継代し、治療を継続することでMTX耐性モデルを作成することに成功した。それぞれにPCNSLのPXモデルにてMTX耐性モデルを作成できており、vehicle投与群との比較実験が行える体制を整えることが出来た。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
現時点で、PCNSLのMTX耐性モデルの作成に成功しており、順調に進展していると考えている。
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今後の研究の推進方策 |
3つのPCNSLのPDXモデルにおいてMTX耐性モデルを作成し、vehicle投与群も含めてRNA seqを行うためのlibrary作成まで終了した。今後はMTX耐性モデルにおいて、どのような遺伝子の発現変化が起こっているかをRNA sequenceによる網羅的発現解析にて行う予定としている。
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