研究課題/領域番号 |
22K16695
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分56010:脳神経外科学関連
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研究機関 | 岩手医科大学 |
研究代表者 |
南波 孝昌 岩手医科大学, 医学部, 研究員 (10788722)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2024年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2022年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | 急性期脳梗塞 / 機械的血栓回収術 / 再灌流 / 脳温 / 活性型ミクログリア / 1H-MRS / 脳卒中 / 脳梗塞 / 脳虚血 |
研究開始時の研究の概要 |
一側内頚動脈または中大脳動脈近位部の閉塞によって生じた急性期脳梗塞において、機械的血栓回収術施行後、再開通がみとめられた症例の脳内環境(温度、代謝物質および活性化ミクログリア)を、超高磁場7T-MRIおよびPETを用いて評価し、2次的に生ずる神経損傷のメカニズムを明らかにする。具体的には、血栓回収術後、閉塞血管支配領域の50%以上に再開通がみとめられた症例に対して1H-MRS、[11C]-PK11195 PETそれぞれの撮像を実施し、脳温上昇域、N-アセチルアスパラギン酸低下域および[11C]-PK11195 PETの高集積域の関係を可視化および定量化する。
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研究実績の概要 |
本研究では、「急性期脳梗塞に対する機械的血栓回収術後の再灌流域において、脳虚血再灌流により急性炎症が生じ、さらにはこの炎症熱による脳温上昇の両者により2次的な神経組織障害を起こしている」という仮説に基づき、機械的血栓回収術がヒト脳組織に与える影響を明らかにすることを目的としている。本年度は研究初年度である。本年度は本研究の方法である、①超高磁場7T-MRIにおけるproton MR-Spectroscopy(1H-MRS)を用いた脳温計測および脳組織代謝産物の定量評価、②[11C]-PK11195トレーサーを使用したPETによる炎症の存在検知および可視化の両者の撮像準備を行なった。 ①については、超高磁場7T-MRIにおいて、single-voxelを用いた1H-MRSの撮像を可能とし、chemical shiftを基盤とした脳温測定手法の高精度化のために、撮像パラメータの調整を行った。一方で、本研究では、multi-voxelでのchemical shift imagingの高精度化も目指しているため、その撮像シーケンスの調整も行った。 ②については、共同研究施設である青森県上北郡六ヶ所村で稼働している青森県量子科学センターにて、まず慢性脳虚血症例の脳循環代謝について15Oガスを用いた撮像を実施し、急性期脳梗塞症例に対する機械的血栓回収術後の再灌流域の評価が可能な画像を取得できることを確認した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度は、超高磁場7T-MRIにおける1H-MRSでは、関心領域を様々な部位に配置・計測できる特徴を活かして、症例毎に異なる再灌流域にて脳温計測が可能であることを確認できたため。また、PETでは15Oガスを用いて慢性脳虚血症例での脳循環代謝量の定量/定性評価することで、急性期脳梗塞症例へも応用できることが確認できたため。
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今後の研究の推進方策 |
倫理委員会への申請準備と平行し、[11C]-PK11195トレーサーを使用したPETでの撮像準備を行なう。申請が承認され次第、同一症例に対する1H-MRSを用いた脳温計測および脳組織代謝産物の定量評価、PET撮像を開始する。
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