研究課題/領域番号 |
22K16706
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分56020:整形外科学関連
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
金塚 彩 千葉大学, 医学部附属病院, 特任助教 (70749506)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2025年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2024年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | パフォーミングアーツ医学 / 音楽家の手 / PAM / 音楽家医学 / フォーカルジストニア / 手外科 / Musician's Medicine / Musician's Hand / Performing Arts Medicine |
研究開始時の研究の概要 |
音楽家の多くが演奏に関連する筋骨格系障害(Playing-Related Musculoskeletal Disorders(PRMD))を有するとされる。しかし我が国ではパフォーミングアーツ医学(Performing Arts Medicine:PAM)の普及が進んでおらず、PRMDの疫学は不明な点が多く、医療体制も整っているとは言い難い。本研究では音楽大学の学生と教師、管弦楽団の演奏家等を対象として、高解像度携帯型エコー併用の上肢機能検診を実施し、PRMDの疫学を調査、実態を把握する。音楽家のパフォーマンスを医学的に支え、演奏家生命の危機となり得るフォーカルジストニアの早期診断も目指す。
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研究実績の概要 |
本研究の目的は、音楽家における演奏に関連する筋骨格系の障害(Playing-Related Musculoskeletal Disorders : PRMD)に関する疫学的調査を行い、国内の音楽家の上肢機能障害の実態を明らかにすることである。具体的には、手外科医師による上肢機能の検診を行い、フォーカルジストニアの早期発見(特に病院で診断されていないTubiana’s Scale 3-4)を目指している。ポータブルエコーを併用することで占拠性病変や構造異常、炎症所見の有無を確認、診断精度を向上させる工夫を行なっている。 令和4年度は、検診に使用するエコー(Canon 超音波診断装置Viamo SV7)を購入した。また検診に用いる問診票および所見記録用紙について、研究カンファレンスにてディスカッションを行って完成させた。さらに、東京音楽大学と千葉大学間において研究連携の協定を締結した。これに基づき、まず探索的に2022年7月に東京音楽大学にてパフォーミングアーツ医学に関する講義を行なった際に、アンケート用紙による調査と身体診察を実施した。アンケートでは、性別・年齢・身長・体重・利き手・職業・音楽歴(専攻楽器・経験年数)、演奏頻度(時間/日・日/週、既往歴、PRMDの自覚の有無と症状のある部位、通院歴、痛みがある場合VAS(Visual Analogue Scale)等について調査した。合わせて国際的な上肢機能評価スコアである The Quick DASH(Disabilities of the Arm, Shoulder, and Hand)も記入していただいた。また、2023年2月に浜松国際ピアノアカデミーにおいて同様の講義を行い、身体診察を行った。なお当院観察研究倫理委員会に本研究に関する倫理審査を申請し、実施について承認を得た。取り組みについては学会等で発信している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究の当面の課題は、被験者の確保にあると考えている。スポーツ界と同様に音楽家の世界は競争が激しく、特にプロフェッショナルの音楽家の場合ではけがや病気は非常にナイーブな要素を孕んでいる。しかしながら若い世代からのOveruse(使いすぎ)やMisuse(誤用)の習慣化が、慢性的な疼痛やフォーカルジストニア発症のリスクとなり得る可能性があり、音楽家の上肢機能の検診には大きな意義があると考えている。 このような本研究の主旨にご同意いただいた東京音楽大学と連携し、2022年度に探索的なアンケート調査と身体診察を実施した。現在今後の検診の実施に向けて調整を進めているところである。 なお検診の実施体制に関しては本病院整形外科手外科グループとして対応する計画であり、マンパワーは十分である。検診内容については研究カンファにて、帝的な報告と相談を行なっている。
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今後の研究の推進方策 |
調査結果については、学会や手外科チームカンファレンスなどでプレゼンテーションを行い、ディスカッションを通して内容の洗練を行なっていく。また積極的に関連学会に出席し、情報収集に努める。また研究内容についても積極的に発信を行う。 東京音楽大学での検診について、担当される先生と運用方法について相談を進める。 またプロの音楽家集団のみならず、アマチュアの音楽家集団での検診も視野に入れ、積極的に進める。具体的には本学の音楽部学生を対象にした上肢機能検診を行うことを計画している。
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