研究課題/領域番号 |
22K16714
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分56020:整形外科学関連
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
鈴木 望人 名古屋大学, 医学部附属病院, 病院助教 (30826748)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2024年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 変形性関節症 / 軟骨変性モデル / DMM手術 / ADMA10 / CD44断片化 / ADAM10 / ヒアルロン酸 / 軟骨変性 / DMMモデル |
研究開始時の研究の概要 |
変形性関節症 (OA) の患者は増加傾向であるものの、有効な治療法は未だ存在せず、OAに関する研究を進めていく必要がある。OAにおける軟骨変性には様々な因子が関与しており、ヒアルロン酸レセプターであるCD44は軟骨変性・保護に関与している報告は散見される。以前に我々はin vitro研究にてOAにおける軟骨変性や伸展ストレスによる機械的刺激では①CD44断片化が亢進している、②CD44断片化にADAM10が関与している、について報告した。本研究の目的は、ADAM10欠損マウスを作製して、OAモデルにおけるCD44断片化とADAM10の関与について解明していくことである。
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研究実績の概要 |
軟骨変性に伴う変形性関節症には様々な因子が関与しており、病因および病態で明らかになっていないことが多々ある。ヒアルロン酸レセプターであるCD44は軟骨変性・保護に関与している報告は散見される。これまでに我々はin vitro研究にてOAにおける軟骨変性や伸展ストレスによる機械的刺激下でCD44断片化が亢進していることや、CD44断片化にADAM10が関与していることについて報告してきた。実験計画書をもとに軟骨変性とADAM10の関連についてin vivoモデルを用いて研究を進めていることと併せて、軟骨保護作用のあるヒアルロン酸のメカニズムについてin vitro研究でもさらに研究を進めている。in vivo研究では軟骨特異的ノックアウトマウス(CKOマウス)としてCol2a1- cre;ADAM10fl/flを用いている。また軟骨変性モデル(in vivoモデル)作製のためDMM手術を実施している。ADAM10は発生および成長に関与することがこれまでに報告されているが成長に影響なく通常の成長過程を経ることで、軟骨変性を評価することが可能となっている。これまで短期的な評価であるDMM術後6週および10週モデルを用いて、CKOマウス/WildマウスではOARSIスコア2.4/1.9、術後10週モデルでは6.1/14.2であった。CKOマウスはWildマウスと比較して術後6週モデルでは有意差はないものの、術後10週モデルで有意に軟骨変性を抑制していたことがわかった(P<0.05)。今後長期自然経過モデル(老化モデル)を用いて、ADAM10の軟骨変性抑制への関与の研究をさらに進めていく。今後軟骨変性に関与しているヒアルロン酸レセプターであるCD44と、CD44断片化抑制に関与しているADAM10について解明していくことで、軟骨変性を引き起こすメカニズム解明の一助となると考えられる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
理由としては、loxpマウスであるADAM10およびCreマウスであるCol2a1- creの繁殖がともに悪く、凍結胚からの再度作製を行う必要が出てきたため、かなりの時間を要している。そのため実験に用いる軟骨特異的ノックアウトマウス(CKOマウス) Col2a1- cre;ADAM10fl/fl作製が順調に進まなかった。これまでにCKOマウスが実験計画予定数に達していないこととDMM手術の予定のタイミング(成長時期)が重なり、現在継代およびCKOマウス作製を行っている。計画が遅延した間にヒアルロン酸のメカニズム解明のため、in vitro研究を併せて進めている。我々は以前に高分子ヒアルロン酸は機械的刺激下でNF-κB 活性化およびカテプシンK 発現を効果的に抑制することを報告した。そのため高分子ヒアルロン酸のNF-κB経路を介して働くメカニズムについても研究を進めている。
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今後の研究の推進方策 |
今後軟骨特異的ノックアウトマウス(CKOマウス) Col2a1- cre;ADAM10fl/flを作製していき、軟骨変性の評価を行っていく。実験計画として3つの軟骨変性モデルの作製(①DMM model、②長期自然経過、③強制運動負荷model (in vivoモデル)を計画している。今まで行ってきた実験として、IL-1α刺激によるexplant culture (ex vivoモデル)を行い、サフラニンO染色低下を認めたことから、ADAM10は軟骨変性に関与していることが考えられた。今後行っていく計画として、DMM手術による軟骨変性モデル(in vivoモデル)の免疫染色および長期自然経過(in vivoモデル)に対するサフラニンO染色や免疫染色による軟骨変性の評価である。また膝関節/大腿骨頭の両方を用いて、軟骨変性に関与するバイオマーカーについて免疫組織染色やCT scanを用いた骨形態評価を行っていく予定である。軟骨および軟骨以外(肝臓・筋肉など)の正常組織にADAM10がどの程度発現しているかについて、遺伝子発現レベル/蛋白レベルで評価していく必要があるため、今後実験計画を立てて遂行していく。以上の結果を評価した後、すでに我々がin vitroで証明している軟骨変性によるCD44断片化亢進、およびADAM10発現を抑制することによるCD44断片化の抑制についてin vivoでも解明していく必要がある。ADAM10発現を抑制することによる軟骨変性に関与しているCD44断片化抑制および変形性関節症モデルの軟骨変性抑制を明らかにすることで、変形性関節症の病態解明につがなり、今後の変形性関節症治療および予防につなげていくことができると考えている。
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