研究課題/領域番号 |
22K16719
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分56020:整形外科学関連
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研究機関 | 北里大学 |
研究代表者 |
福島 健介 北里大学, 医学部, 講師 (30383615)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2024年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | CD163 / マクロファージ / マクロファージサブセット / 疼痛 / 中枢感作 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、人工股関節置換術時に変形性股関節症患者から採取した滑膜組織を用いて、1. CD163陽性 MΦサブセットの表現型と疼痛、中枢感作との関連性を検討する、2. 各MΦサブセットにおける疼痛関連因子(NGF, CGRP)の発現と産生能を検討する。3. 各MΦサブセットが産生する疼痛因子の探索を検討する。これにより、CD163陽性Mφサブセットの同定と機能解析によりCD163陽性MΦを介した新たな hOA の中枢感作、疼痛惹起機構を明らかにする。
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研究実績の概要 |
形性関節症(OA)における滑膜マクロファージ(MΦ)は疼痛に関与すると報告されている。しかし、疼痛に関与するMɸのフェノタイプは明らかではない。CD163+MΦはOA滑膜中で増加し、炎症に関与すると報告されている。しかし、疼痛との関連は明らかでない。本研究では、股OAにおけるCD163+MΦと痛みの関連を調査した。さらに、CD163+MΦやそのサブセットが発現する炎症性サイトカインの特徴を調査した。股OAの診断で人工関節置換術を行った98例から滑膜組織を採取した。72例はReal time PCRでCD163の発現を調査し、Visual Analog Scale (VAS)で評価された術前安静時痛と活動時痛との相関を調査した。10例は磁器ビーズ法で細胞分離を行い、CD163+/-分画における炎症性サイトカインの発現を比較検討した。8例はフローサイトメトリーでCD163+MΦにおけるサブセット解析を行った。8例はセルソーティングで各サブセットが発現する炎症性サイトカインを調査した。炎症性サイトカインはTNFA, IL1B, IL5, IL6, IL17を使用した。CD163と安静時痛VASの間に正の相関を認めた。活動時痛VASとは相関がなかった。CD163+分画におけるTNFA, IL1Bの発現は CD163-分画よりも有意に高かった。CD163+細胞には異なるサブセットである CD163+CD14lowとCD163+ CD14highが存在していた。CD163+ CD14low細胞における TNFA の発現は有意に高かった。これまでの報告から TNF-α は OA における疼痛のプロセスに関与するとされる。本研究の結果から、TNF-αを高発現している CD163+CD14low細胞が、痛みの病態に関与している可能性が示された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
CD163の発現と中枢感作、疼痛との関連性が示された。従って、おおむね順調に進展しているものと考えれられる。
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今後の研究の推進方策 |
オミクス解析を駆使してCD163 MΦの表現型、機能を明らかにする予定である。
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