研究課題/領域番号 |
22K16727
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分56020:整形外科学関連
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研究機関 | 産業医科大学 |
研究代表者 |
藤谷 晃亮 産業医科大学, 医学部, 助教 (70804714)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2024年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2023年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | オキシトシン / トランスジェニックラット / 慢性疼痛 / 線維筋痛症 / バソプレッシン / シナプス可塑性 / パッチクランプ法 |
研究開始時の研究の概要 |
下垂体後葉ホルモンであるオキシトシンは、痛みの受容に関与することが明らかになり近年注目されている。同じ下垂体後葉ホルモンであるバソプレッシンも、オキシトシンと同様に痛みの受容に関与するとされているが、視床下部のシナプスレベルでの機序は明らかでない。本研究は電気生理学的手法を用いることでバソプレッシンが痛みの受容に関与する機序を解明し、将来創薬に結びつく検討を行うものである。
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研究実績の概要 |
令和4年度よりオキシトシン(OXT)ニューロンを可視化したOXT-単量体赤色蛍光タンパク1(mRFP1)トランスジェニック(Tg)ラットを用いた線維筋痛症(FM)モデルを作成して電気生理学的検討を行っている。令和5年度では、引き続き同モデルを作成し、ホールセルパッチクランプ法を用いてOXTニューロンの電気生理学的検討を行なった。ホールセルパッチクランプ法ではシナプス後電流(PSCs)を記録することでシナプス伝達を解析することが可能である。PSCsには興奮性シナプス後電流(EPSCs)と抑制性シナプス後電流(IPSCs)があり、解析にはそれぞれのシナプス後電流の頻度と振幅を用いる。原則的には、頻度の変化はシナプス入力への影響、つまりシナプス前の神経伝達物質放出への影響を反映しており、振幅の変化はシナプス後膜おける受容体感受性への影響を反映する。OXTニューロンへのシナプス伝達を検討するためControlとFMモデルの両群の自発的(s)EPSCsを検討し、 単一シナプスのみ評価を行う微小(m)EPSCsを検討した。sEPSCsとmEPSCsともに、振幅は両群間に有意差を認めなかったが頻度についてはFMモデルで有意に低下していた。同様に、OXTニューロンへの抑制性シナプス伝達を検討するため両群のmIPSCsを検討した。mIPSCsについては、振幅と頻度ともに両群間で有意差を認めなかった。 本年度の結果からは、シナプス前における興奮性神経伝達物質の放出が抑制されていることが明らかになった。その理由については今後の検討課題である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
令和5年度は、急性疼痛モデルを作成し電気生理学的検討を行う予定であった。しかし、令和4年度の実験の遅れとラット繁殖の遅れから全体のスケジュールの遅延が生じている。そのため、急性疼痛モデルの実験は行なわず、慢性疼痛モデルの実験を進めた。
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今後の研究の推進方策 |
令和6年度は、長期増強(Long-term potentiation; LTP)を検討する。慢性的な疼痛刺激に伴う中枢神経系おける疼痛制御システムの可塑性変化は長期増強(Long-term potentiation; LTP)が関与するとされる。記録するシナプス前に刺激電極を置いて電極を通して神経細胞に刺激することで、LTPを誘発させ記録する。また、チャンバーへAVPおよびOXTを還流させ、誘発性シナプス後電流の変化を記録することにより、OXTニューロンへのLTPに及ぼす影響を解明する。
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