研究課題/領域番号 |
22K16737
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分56020:整形外科学関連
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
野村 一世 金沢大学, 医学系, 協力研究員 (10622897)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2024年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | メチルグリオキサール / GLO1 / ADSCs / Glo1 / 糖尿病 / 骨折治癒遷延 / 老化 |
研究開始時の研究の概要 |
糖化ストレス が亢進している高齢もしくは糖尿病モデルマウスを使用し、主に以下の3つの検討を行う。 1.ADSCs中のMGを蛍光プローブを用いた独自のイメージング技術で検出する。2.MGを消去し 再生促進能を強化した新しい脂肪由来幹細胞(Methylglyoxal reduced ADSCs: MR-ADSCs) を開発・作成する。3.骨修復を評価する骨孔モデルにMR-ADSCsを投与し骨折治癒促進効果を 増強するか検討する。本研究は臨床標的に即したモデルから再生促進能を強化したADSCsを 作成する新たな手法を開発し、最終的には脂肪由来幹細胞治療の臨床応用に橋渡しすることを目指す。
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研究実績の概要 |
昨年度はメチルグリオキサール(MG)反応性蛍光センサープローブによるin vitroでの糖化ストレス反応動態を評価した。脂肪由来幹細胞での評価の前にsiRNAの導入の 評価およびコントロールとして扱いやすいマウス頭蓋冠由来骨芽細胞(MC3T3)にてMG消去酵素であるGLO1 siRNAをトランスフェクションすることによりGlo1をノックダウンし、MG産生能の増減を評価した。si RNAの導入には市販の試薬を用いたリポフェクション法を用い、RT-PCRにてGlo1の発現が有意に抑制されており、その導入の確認に成功した。さらにGlo1 siRNAの導入によりMGは骨芽細胞内で増加することを確認した。フローサイトメトリーによる生存細胞数の評価もおこなったが、現時点ではノックダウンによる細胞数の減少は認められなかった。ストレプトゾトシンをマウスに投与し長期経過した糖尿病骨粗鬆症モデルマウスの作成を行ない、その脛骨のPCRも施行しGlo1の発現を評価したが、コントロールマウスと比較し有意な増減は確認できなかった。本年度は骨粗鬆症また、糖尿病マウスの作成および、そこからの脂肪組織を採取し、ADSCsの作成を行ない、ADSCsへのGlo1のトランスフェクションの施行およびMG産生の評価を進行している。ラットでの報告がなされている作成法を使用しているが、ストレプトゾトシン投与による糖尿病マウスでは脂肪細胞が非常にすくなく、ADSCs作成が難しく、高脂質食による糖尿病モデルマウスの作成に変更し、ADSCs作成に変更し、MG産生の評価やGlo1のトランスフェクションの効果を検討している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
SiRNAの導入については安定して施行できるようになったが、ADSCsの作成について特に糖尿病マウスにおいて進行が遅れている。糖尿病マウスの作成方法を変更することで、invivoでの検討を今後行う予定である。
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今後の研究の推進方策 |
糖尿病モデルマウスでの脂肪由来幹細胞(ADSCs)の作成を進めつつ、Glo1 siRNAを導入し機能評価を行う。またマウスの骨孔モデルを作成し、MG消去作用を持つ薬品をスクリーニングし検出し機能を強化したADSCsを投与して、骨修復能の改善が得られるか検討する方針である。
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