研究課題/領域番号 |
22K16749
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分56020:整形外科学関連
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研究機関 | 和歌山県立医科大学 |
研究代表者 |
岩橋 弘樹 和歌山県立医科大学, 医学部, 博士研究員 (10621823)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2024年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2023年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 頚椎症性脊髄症 / MRI / 住民コホート研究 / 発育性脊柱管狭窄 / 腰部脊柱管狭窄症 |
研究開始時の研究の概要 |
腰部脊柱管狭窄症(LSS)は坐骨神経痛、歩行障害を症状とする疾患として広く知られている。われわれが日常診療で診断・治療するLSSの最も一般的な狭窄の原因は加齢変化によって変性した椎間板、黄色靱帯、椎間関節であると考えられている。一方、発育性の原因により脊柱管自体が狭いため、わずかな加齢変化が加わること発症する例のあることが知られている。しかし、LSSについては、発育性狭窄の定義や疾患発症のカットオフ値が定められていないのが現状である。 本研究では大規模住民コホート14年目の追跡調査を完遂させ、詳細な臨床データからLSSにおける発育成脊柱管狭窄の定義、疾患概念を確立する。
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研究実績の概要 |
頚部狭窄症(頚椎症性脊髄症)の発症には頚椎の加齢変化に加え、先天性もしくは発育性脊柱管狭窄(脊柱管前後径13 mm未満)が関与することが知られている。一方、腰部脊柱管狭窄症(LSSに)ついては、その疾患概念が比較的新しいこともあり、発育性脊柱管狭窄の定義、カットオフ値について統一した見解がない。申請者が参加する一般住民コホートThe Wakayama Spine Study (WSS)はベースライン参加者が1000名以上で①全脊椎MRI、②全脊柱立位X線、③骨密度、④体組成、⑤血液生化学、⑥ 生活習慣と運動量に関する詳細な問診、⑦健康関連QOL、⑧身体能力、⑨整形外科専門医による全身診察、など膨大かつ詳細なデータを収集している。WSSは2019年までに第4次調査(10年目)を終えている。 本研究では、コホート参加者の画像所見と問診・診察所見を横断的ならびに縦断的に調査し、LSS発症リスクに関する発育性狭窄のカットオフ値を求める。2023年度10月-12月にかけては和歌山県太地町において14年目の追跡調査を終了し、研究者は整形外科医として参加者の問診、神経学的診察を行った。また全脊柱MRI、股関節・膝関節レントゲン等を含む画像の読影、評価を行い、結果のデータベース化を行った。2024年2月には太地町検診の参加者にむけて検診結果の報告会を行い、研究者も主に脊椎関連の結果の報告を担当した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
2023年10-12月、和歌山県太地町において14年目の追跡調査に計画通り終了した。 全脊柱単純MRI、X線画像(全脊柱・両膝・両股関節)をはじめ多項目に及ぶ。これらの情報の読影、解析、データベースとしての蓄積はおおむね計画どおり進行している
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今後の研究の推進方策 |
2024年度には2022年度日高川町検診参加者、2023年度太地町検診参加者の腰椎MRI評価を行う。申請者は研究協力者である東京大学22世紀医療センター岡敬之特 任助教の協力を得て、MRI画像半自動計測データ記録ソフトを開発し、過去のデータ分について腰椎脊柱管形態についての計測(椎体面積、椎体前後径、椎体上下長、脊柱管前後径)の計測をすでに開始している。2013年のMRIから得られたデータに加え、ベースライン(2008-9年)、4年目(2012-3年)、7年目(2015-6年)、10年目(2018-9年)、14年目(2022-2023年)のデータを用いて腰椎の脊柱管形態、腰部脊柱管狭窄症に関するデータベースを構築することで、(1)LSS発症リスクに関与する脊柱管前後径のカットオフ値、(2)発育成脊柱管狭窄症を有する者のLSS新規発症の相対リスク比、(3)頸椎と腰椎間で脊柱管前後径がどの程度相関するかを明らかにすることが可能となる
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