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骨髄濃縮液を用いた椎間板再生治療法における液性因子に基づいた再生メカニズムの解明

研究課題

研究課題/領域番号 22K16757
研究種目

若手研究

配分区分基金
審査区分 小区分56020:整形外科学関連
研究機関北海道大学

研究代表者

筌場 大介  北海道大学, 大学病院, 助教 (80907981)

研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2024年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
キーワード椎間板ヘルニア / 再生医療 / 骨髄濃縮液 / 高純度硬化性アルギン酸ゲル
研究開始時の研究の概要

椎間板ヘルニアに代表される椎間板障害は、下肢痛や腰痛を伴い社会活動に支障をきたす要因となる。全人口の約1%という高い有病率の一方で、病因に対する直接的な治療法は未だ存在しない。そこで我々は椎間板組織再生を目的とした治療法の開発を目指しBMACに注目した。BMACは骨髄液に含まれるBMSCs等の単核細胞群や液性因子を濃縮して作成され、低侵襲かつ低コストを可能にする再生医療技術としてその有用性が期待されているが、そのメカニズムに関しては明らかにされていない。本研究ではBMACによる再生治療の実現を見据え、特に成長因子に着目し、椎間板組織再生のメカニズムを明らかにすることを目的とする。

研究実績の概要

高純度硬化性アルギン酸ゲルと骨髄濃縮液(BMAC)を併用した椎間板再生治療法の開発を目指している。組織再生メカニズムの解明に先行して、現在本邦で市販されているBMAC作成キット3種類における細胞濃縮能を比較した。日本白色家兎の骨髄液を対象に、テルモBCT社のSmartPrep、京セラ社のCondensia、ZIMMER BIOMET社のBio CUEを用いてBMACを作成した。未濃縮骨髄液とBMACにおける単位量あたりの間葉系幹細胞数(蛍光染色)をセルソーターで実数計測した。その結果、Bio CUEとSmartPrepで有意に高く、最も高かったSmartPrepを大動物試験で利用することとした。
続いてビーグル犬の椎間板を対象とした性能評価試験を実施した。コントロール、髄核摘出のみ、ゲル単独移植、ゲル+BMAC移植の4群に分け、椎間板摘出後に移植を行なった。術後24週に安楽死させ、MRI評価と組織学評価(H&E、Safranin-O)、免疫組織学的評価(Type II collagen)による変性定量評価を行った。その結果、MRI 評価では髄核摘出群およびゲル群と比較してBMAC併用群は有意に高信号が保持されており、椎間板内での水分が保持されていることが示された。また組織学的評価においては、BMAC併用群では変性進行が有意に抑制されていることが示された。免疫組織学的評価では、椎間板内の主な細胞外基質となるType II collagenの陽性細胞率を算出。その結果、BMAC併用群においては、髄核摘出群およびゲル群と比較してType II collagen陽性細胞率は有意に高値であった。以上からゲルとBMACの併用による変性進行の抑制と椎間板組織修復および再生効果が示された。上記内容を現在論文投稿している。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

高純度硬化性アルギン酸ゲルとBMACを併用した椎間板再生治療法の実現までのロードマップとして、「①椎間板組織再生効果の証明」、「②力学的安定性の証明」、「③再生機序(細胞および液性因子)の解明」、「④大動物を用いた性能および安全性評価」、「⑤ヒトを対象とした治験」を考えている。先行研究においては、家兎モデルを用いて組織再生効果と力学的安定性を既に証明し、またビーグル犬を対象とした大動物試験も完了し、今後はメカニズムの可能性に取り組んでいく。In vivo試験に関しては完了したが、メカニズムの解明に関してはこれからの取り組みのため、「やや遅れている」と判断している。

今後の研究の推進方策

中動物および大動物モデルに対するBMACとゲルの併用が組織再生を促進することが示された。次段階として「組織再生機序の解明」に着手する。日本白色家兎の骨髄液を対象に、In vitro試験による組織再生機序の解明を目指す。
なお、将来的にはヒトを対象とした臨床治験に移行していく予定である。

報告書

(2件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 2022 実施状況報告書
  • 研究成果

    (4件)

すべて 2023

すべて 学会発表 (4件) (うち国際学会 1件)

  • [学会発表] 生体吸収性バイオマテリアルと自家骨髄 濃縮液を併用した椎間板再生治療の開発2023

    • 著者名/発表者名
      筌場大介、石川蓉子、山田勝久、Khin Khin Tha、岩崎倫政、須藤英毅
    • 学会等名
      第38回日本整形外科学会基礎学術集会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 高純度硬化性アルギン酸ゲルと骨髄濃縮液を併用した椎間板再生治療法の開発2023

    • 著者名/発表者名
      筌場大介、石川蓉子、山田勝久、Khin Khin Tha、岩崎倫政、須藤英毅
    • 学会等名
      第142回北海道整形災害外科学会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 高純度硬化性アルギン酸ゲルと骨髄濃縮液を併用した椎間板再生治療法の開発2023

    • 著者名/発表者名
      筌場大介、石川蓉子、山田勝久、Khin Khin Tha、岩崎倫政、須藤英毅
    • 学会等名
      第96回日本整形外科学会学術総会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] Intervertebral Disc Regenerative Therapy Using Bone Marrow Aspirate Concentrate Combined With In Situ Forming Bioresorbable Ultra-purified Alginate Gel2023

    • 著者名/発表者名
      Daisuke Ukeba, Yoko Ishikawa, Katsuhisa Yamada, Khin Khin Tha, Norimasa Iwasaki, Hideki Sudo
    • 学会等名
      Orthopaedic Research Society 2023 Annual Meeting
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
    • 国際学会

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公開日: 2022-04-19   更新日: 2024-12-25  

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