研究課題/領域番号 |
22K16763
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分56020:整形外科学関連
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
勝見 敬一 新潟大学, 医歯学総合研究科, 客員研究員 (20422595)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2024年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 後縦靭帯骨化症 / 画像解析 / 骨化進展 / メカニズム / 脊柱靭帯骨化症 / 骨化進展メカニズム / 縦断的解析 |
研究開始時の研究の概要 |
脊柱靭帯が進行性に骨化する脊柱靭帯骨化症の病態の解明,特に骨化進展メカニズムの把握は,本疾患の治療戦略を確立する為に重要である.しかし,骨化発症・進展の機序はいまだ解明されていない.申請者らは,頚椎後縦靭帯骨化症(OPLL)において,骨化増加率や増加危険因子を報告してきた. 本研究ではこれら成果を発展させ,これまでの2年程の間隔を開けた計2回の骨化巣計測による横断的研究に,新たに初回計測から5~10年開けた計測を追加し,世界に先駆け100例,平均観察期間7年を目標とした縦断的解析を行う.
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研究実績の概要 |
我々は、CTから骨化巣を3次元的に切り出し、解析する3次元画像解析法を確立した。これにより、骨化巣の形態変化や、体積の定量評価が可能になった。これまで、後縦靭帯骨化症の骨化進展危険因子の検討や、骨代謝動態も含めた解析を行ってきた。本研究ではこれまでの約2年の間隔をあけた計2回の骨化巣計測による横断的研究に、新たに初回計測から5~10年の間隔をあけた3ないし4回目の計測を追加し、縦断的な検討を加える。症例100例、平均観察期間7年を目標とした中長期的な解析を行い、将来的には150例、観察期間10年を見据えた基礎データの蓄積を行う。2023年度は、新潟大学病院並びに新潟大学地域医療教育センター魚沼基幹病院、新潟中央病院に通院する脊柱靭帯骨化症患者さんに対し、研究計画に従い、以下の項目を調査した。 ①年齢、体型、既往症、家族歴、生活様式などの患者基礎データ。②日本整形外科学会頚髄症判定基準(JOAスコア)および日本整形外科学会頚髄症評価質問票(JOACMEQ)を用いた臨床症状と患者QOL評価。③X線による全脊柱アライメントと頚椎~腰椎の動態撮影による脊柱可動性の評価。④全脊椎CT撮影のDICOMデータから3次元画像解析ソフトを用いて骨化巣を3次元画像化し、骨化巣の形態および体積定量評価。骨化巣計測間隔は、基準となる1回目から約2年で2回目の計測を行い、さらに5~10年で3回目以降の計測を行い、縦断的な解析を行う。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2023年度は、新規症例登録と既存症例の経過観察の蓄積を行い、画像解析にて骨化巣体積計測を進めた。現在までに2回以上のCTを撮影できた登録症例は182例となり、その内、2回の骨化巣体積計測を完了し、横断評価が可能となった症例は173例となった。さらに、初回CTより5年以上の期間で計3回以上のCTを撮影できた症例は118例となり、その内、3回の骨化巣体積計測を完了し、縦断評価が可能となった症例は97例となった。今後頸椎後縦靭帯骨化症で縦断評価100例を目標とし、計測を進めていく。
これまでの途中報告として、「頚椎後縦靱帯骨化症における骨化進展の3次元画像解析:病態別骨化進展の違い」というタイトルで、2024年4月に行われた脊椎脊髄病学会にて報告した。 また、胸椎後縦靭帯骨化症では、後方固定術を施行した17例の3次元画像解析による、横断評価にて骨化巣の体積変化の特徴について英語論文を投稿した。
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今後の研究の推進方策 |
2024年度は、CT撮影3回以上の症例を現在の118例から140例をめどに増やし、骨化巣計測を現在の97例から新規に20例ほどの解析を進める予定である。画像解析の進捗にて、今年度中に全体の解析を行うことが目標である。最終的な解析症例は100例前後を見込んでいる。
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