研究課題/領域番号 |
22K16772
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分56020:整形外科学関連
|
研究機関 | 自治医科大学 |
研究代表者 |
高橋 恒存 自治医科大学, 医学部, 講師 (80781301)
|
研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2023年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2022年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
|
キーワード | 膝関節 / 前十字靭帯損傷 / 内側半月板損傷 / 大動物研究 / 生体力学的研究 / 組織学的研究 / 内側半月板 / 大動物モデル / 後節辺縁部ランプ領域 / 再建術 |
研究開始時の研究の概要 |
膝前十字靭帯損傷に対して自家腱を移植する手術である靱帯再建術が広く行われている。移植腱の力学的強度は術後早期から阻血性壊死が起こることで劣化し、回復に長期間を要する点が現在も解決されていない課題である。近年膝前十字靭帯損傷と同時に損傷すると言われる内側半月板後節辺縁部、いわゆるランプ領域の修復が術後良好な膝関節前方安定性に寄与すると注目されている。本研究ではブタ膝前十字靭帯損傷モデルを用いて膝前十字靭帯再建術と同時に内側半月板ランプ修復術を行い術後12週で安楽殺し生体力学的、組織学的評価を行う。本研究の成果は術後移植腱の力学的強度劣化が低減された新規手術治療法の開発の基盤となると期待される。
|
研究実績の概要 |
未治療の内側半月板隆起病変(MMRL)が、前十字靭帯(ACL)再建術における腱移植片の術後生体力学的特性に影響を及ぼすかどうかを評価し、ブタモデルを用いて内側半月板(MM)の組織学的所見を明らかにすることを目標として下記実験を行った。 合計18頭のブタを無作為に2群に分けた:(1)MMRL未治療群(UM群、n=9)と(2)対照群(n=9)。そのうち17頭は手術後12週目に安楽死させた。得られた試験片を、ACL 骨癒合部位の方向に繰り返し試験を行い、引張試験機で破断まで負荷(50mm/min)した。その後、繰返し荷重下での並進の左右差と構造特性を分析した。MMの組織学的評価は、Modified Mankinの組織学的グレーディングスコアとModified Copenhaverの分類スコアに基づいて行われた。 結果として上降伏荷重(UM群、476.3±399.9N;対照群、643.2±302.9N)、最大荷重(UM群、539.5±265.8N;対照群、705.8±282.6N)、線形剛性(UM群、539.5±265.8N;対照群、705.8±282.6N)に有意差はなかった。しかし、UM群ではModified Mankinの組織学的悪性度スコア(1.8±0.4[1-2] vs. 0±0[0];P<0.001)およびModified Copenhaverの分類スコア(6.6±2.4[2-9] vs. 0.7±1.1[0-3];P<0.001)が対照群よりも有意に悪かった。以上から未治療のMMRLは、膝前部の弛緩や移植腱の構造的特徴に有意な影響を与えなかった。対照的に、UM群では術後12週目に内側半月板の組織学的劣化が認められた。
上記概要を論文化して整形外科領域の国際誌であるJournal of Experimental Orthopaedics誌に投稿し、修正後アクセプト予定との初回判定を受けている。
|