研究課題/領域番号 |
22K16790
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分56030:泌尿器科学関連
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
坂本 茉莉子 神戸大学, 医学研究科, 医学研究員 (80834564)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2023年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2022年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
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キーワード | がん免疫療法 / 抗体療法 / マクロファージ / SHPS-1 |
研究開始時の研究の概要 |
転移性膀胱がんに対する新たながん免疫療法の確立を目指し、がん微小環境を取り巻く免疫細胞の中でもマクロファージに注目し、本研究ではCD47-SIRPα結合を阻害する抗SIRPαモノクローナル抗体が、抗PD-L1抗体によるがん細胞の排除に促進的に作用するか、単独投与に比べてより強力な腫瘍排除を示すかについて解析し、がん治療薬としての有効性を評価することを目的とする。
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研究成果の概要 |
本研究では、転移性膀胱がんに対する新たながん免疫療法の確立を目指し、がん治療薬の有効性評価を行った。膀胱がんに対する抗PD-L1抗体の有用性は既に証明されているが、さらに抗SIRPα抗体を併用することによって、マクロファージの膀胱がん細胞に対する貪食効果を高めることができ、腫瘍モデルマウスにおいても単剤に比して併用群でより強い腫瘍成長抑制効果を認めることができた。さらに、腫瘍内の免疫細胞を解析すると、2剤併用群において腫瘍排除に携わるCD8陽性T細胞の割合が増えていた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
抗PD-L1抗体と抗SIRPα抗体を併用することで、膀胱癌に対し単剤に比してより強い抗腫瘍効果を認めることができたが、併用療法による抗腫瘍効果にはマクロファージが大きく寄与しており、マクロファージのがん細胞貪食が起点となって、腫瘍内の環境が癌排除の方向へと変容し、T細胞の呼び込みに繋がっている可能性が示唆された。詳細については更なる解析が必要であるが、抗PD-L1抗体が効きにくいとされるT細胞浸潤が少ない腫瘍に対しても併用療法が有効であり、新たな併用療法の1つとなる可能性が示唆された。
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