研究課題/領域番号 |
22K16792
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分56030:泌尿器科学関連
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研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
井口 智生 鹿児島大学, 医歯学域鹿児島大学病院, 助教 (60735364)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2023年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2022年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
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キーワード | 膀胱癌 / 治療抵抗 / エクソソーム / 治療抵抗性 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は治療抵抗膀胱癌におけるエクソソーム中miRNAを起点とした耐性獲得機序を明らかにし、新規治療戦略や診断・予後予測マーカーを開発することが目的である。始めに当科で樹立したゲムシタビン・シスプラチン耐性膀胱癌細胞由来の培養液中エクソソームを用いた機能解析を、in vitroのみならずin vivoにおいて行う。更にシスプラチン耐性膀胱癌細胞由来の培養液中エクソソームを用いたスクリーニング解析を起点として、新たな治療戦略や診断や予後予測マーカーのデータを収集し、最後はヒト臨床検体を用いて治療効果予測を検討する。
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研究成果の概要 |
研究成果としては、患者由来の膀胱尿路上皮癌、膀胱癌CIS、腎盂尿管尿路上皮癌の血清エクソソーム中RNAを用いてシークエンス解析を行い、正常検体と比較して尿路上皮癌ではエクソソームに含まれる核酸のパターンが大きく異なることを確認した。次に、候補となる核酸の中からLncRNAの一つであるBYCRN1に注目し、血清エクソソーム中RNAの発現を調査したところ、尿路上皮癌患者では健常対照と比較して有意に発現が増加していた。さらに、BYCRN1をノックダウンすると抗腫瘍効果が示された。また、術前後の検体で発現を見てみると術後は発現が低下していることが分かった。以上の結果をまとめて論文化した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
現在、臨床的に感度・特異度ともに有用な尿路上皮癌(腎盂尿管癌および膀胱癌)の腫瘍マーカーは無く、患者は放射線被曝を伴うCT検査や侵襲の大きな尿管鏡検査や膀胱鏡検査が一般的に行われている。更に画像検査や内視鏡検査で腫瘍の存在を確認するにはある程度腫瘍が大きくならないと判断できないのが現状である。そこで、エクソソーム含有核酸を用いて尿路上皮癌に対する腫瘍マーカーとなる核酸を検出することを本研究の目的としたが、我々の研究成果は血清エクソソーム中のBCYRN1が尿路上皮癌患者で有意に高く、また術後に発現が低下した。そのため、腫瘍マーカーの確立に向けて大きな一歩を踏み出したと考える。
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