研究課題/領域番号 |
22K16797
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分56030:泌尿器科学関連
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研究機関 | 東京女子医科大学 |
研究代表者 |
石原 弘喜 東京女子医科大学, 医学部, 助教 (20910821)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
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キーワード | 空間解析 / 腎細胞癌 / 透析 / 腎障害 / 発がん機序 / マルチオミックス解析 / 末期腎不全 / 腎不全 / マルチオミクス解析 / 遺伝子異常 |
研究開始時の研究の概要 |
透析治療を必要とする末期腎不全患者は腎細胞癌の発生リスクが高い。透析患者に発生する腎細胞癌(透析腎癌)の一部は、悪性度が高く標準的薬物治療に低感受性である。また、長期透析患者数は増加しており、今後透析腎癌の患者数は増加することが予想される。しかし、透析腎癌の遺伝子異常に関する知見はいまだ限られている。 本研究では、透析腎癌の組織型として頻度が高い透析淡明細胞型腎細胞癌と後天性嚢胞腎随伴腎細胞癌の臨床検体を用いてマルチオミクス解析を行うことで、透析腎癌特有のジェネティックおよびエピジェネティック異常を同定する。これにより、透析腎癌の発癌・進展機序の解明および新規治療標的の同定を目指す。
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研究実績の概要 |
透析患者に発生する腎細胞癌(透析腎癌)として特有かつ好発する組織型である後天性嚢胞腎随伴腎細胞癌(acquired cystic disease-associated renal cell carcinoma, ACD-associated RCC)に着目し網羅的遺伝子解析を行った。すでにバルクサンプルを用いたRNA-seqによる網羅的遺伝子発現解析およびInfinium Methylation EPICによるDNAメチル化解析によって、アミノ酸代謝異常関連パスウェイの異常DNA低メチル化による活性化がACD-associated RCCの発がん・進展機序に関与している可能性を見出していた。次の段階として、ACD-associated RCCの腫瘍エコシステムにおいて、どの細胞にアミノ酸代謝関連パスウェイの異常が生じており、また、アミノ酸代謝異常がどの細胞に作用しているかを明らかにする必要があると考えた。これらを明らかにするために、Visiumを用いた空間トランスクリプトーム解析により、ACD-associated RCCの腫瘍エコシステムにおいて、サブセルラーレベルにおける発現解析および細胞間の相互作用を同定することを考えた。Visium対象サンプルは、ACD-associated RCC 2症例(2切片)、透析乳頭状腎細胞癌(papillary RCC, pRCC) 2症例あ(2切片)および散発性pRCC 2症例(2切片)とした。共同研究者の一人である東京女子医科大学病理診断科、長嶋洋治教授の下、1切片上にがん細胞、非がん細胞、前がん病変と思われる異型嚢胞上皮細胞などが存在する領域を選出した。すでに、ACD-associated RCC、散発性pRCCの切片は選出が終了した。しかし、透析pRCCはその高い希少性により、Visiumに適した切片の選出がまだ行えていない状況である。従って、2023年度に予定していたVisiumはまだ解析できていない。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
Visiumを用いた空間トランスクリプトーム解析に適した症例(切片)の選出が終了せず、解析が行えていないため。
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今後の研究の推進方策 |
Visiumを用いた空間トランスクリプトーム解析を高精度で行うためには、RNAの質が重要であると考え、症例(切片)の選出基準をFFPEブロック作成3年未満と定義していた。しかし、この期間の症例ではVisiumに適した切片を選出できなかったため、選出基準をFFPEブロック作成5年未満に拡げ、対象症例を増やしVisium用の切片を選択する。
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