研究課題/領域番号 |
22K16804
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分56030:泌尿器科学関連
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
李 賢 九州大学, 医学研究院, 共同研究員 (00876740)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2024年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 膀胱線維化 / PDGFRα陽性細胞 / 膀胱 / 線維化 / 炎症 |
研究開始時の研究の概要 |
線維化による引き起こされる病態は難治である。本研究では膀胱線維化に着目する。膀胱における線維化は、コラーゲンの過剰沈着により膀胱が硬くなり膀胱容量(コンプライアンス)が低下することであるが、線維化に関与する血小板由来成長因子受容体アルファ陽性(Platelet Derived Growth Factor Receptor alpha positive: PDGFRα+)細胞について研究を行う。本研究では以下の2つの仮説を検証する。1. 炎症によりPDGFRα+細胞が活性化されて、病的な線維化を生じる。2.全身運動または薬物療法によりPDGFRα+細胞への作用を介して線維化を改善する。
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研究実績の概要 |
膀胱における線維化は、コラーゲンの過剰沈着により膀胱が硬くなり膀胱容量(コンプライアンス)が低下することであるが、膀胱線維化に関わる細胞について調べた報告はない。 膀胱線維化に関与する可能性のある細胞として、血小板由来成長因子受容体アルファ陽性(Platelet Derived Growth Factor Receptor alpha positive: PDGFRα + )細胞に着目している。 PDGFRα+細胞を、①若年、老齢マウスでの違い、②膀胱の部位による違い(膀胱粘膜層、膀胱排尿筋層)があるか調べた。 若手研究の研究課題として二年目であるが、本研究課題に対し初年度は一つの国際学会発表を行った。今年度は学会、論文発表は行っていない状況である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
昨年度の報告にも書いたが、マウスにシクロフォスファミド(CYP)を腹腔内投与(150mg/kg、第1, 3, 5日目に投与)シャム群(コントロール群)は生食を同じスケジュールで投与した。CYP群で膀胱Interleukin-6(IL-6), collagenⅠA1、 PDGFRα、SK3(PDGFRαと共局在)が高発現しており、全身炎症によってPDGFRα発現が上昇していることが伺えた。 CYPによる評価とは別に、若齢、老齢のPDGFRα+/eGFPマウスを用いて膀胱免疫組織化学染色(以下、免染)で確認を行った。加えて膀胱の部位による発現変化を確認すべく、膀胱粘膜層、膀胱排尿筋層で確認を行った。まず、PDGFRα+細胞は、粘膜層での発現が排尿筋層より明らかに多かった。PDGFRα抗体を変更し、試すと細胞質が染まり、紡錘形の細胞の形状が確認できた。年齢による変化をみるために細胞数のカウントを行ったところ、若齢、老齢での明らかな差異は認めなかった。 また、尿道を用いて免染を行ったところ、尿道周囲の間質にPDGFRα+細胞が散見された。老齢ではやや増加している可能性があり、今後追加で検討を行いたい。
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今後の研究の推進方策 |
年齢によるPDGFRα+細胞の発現の差異自体は明らかには認めなかったものの、昨年度の結果で炎症によりPDGFRα+発現は上昇することは確かめているので、病態モデル(高脂肪食モデル等)を使用し、その発現や形態学的変化、線維化マーカーの変化、膀胱機能変化について調べていきたい。
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