研究課題/領域番号 |
22K16808
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分56030:泌尿器科学関連
|
研究機関 | 自治医科大学 |
研究代表者 |
亀井 潤 自治医科大学, 医学部, 講師 (80805622)
|
研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2024年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
|
キーワード | 下部尿路機能障害 / 腎移植 |
研究開始時の研究の概要 |
慢性腎不全による無尿・乏尿により膀胱は廃用性に萎縮して、腎移植により再度膀胱に尿が溜まると委縮膀胱は改善する。一方で、重度の膀胱機能障害が残存して移植腎への膀胱尿管逆流や移植腎盂腎炎を反復する症例も存在するため、膀胱機能の回復には個人差が大きいと考えられる。 しかし移植時の膀胱の構造的、分子生物学的変化と移植後の膀胱機能改善の関係の評価は不十分で、委縮膀胱改善の機序は未解明である。 本研究では、50例の腎移植患者を対象に委縮膀胱の重症度による①腎移植時の膀胱組織の組織学的な構造、②膀胱機能と関連する遺伝子の発現、③尿中バイオマーカーや代謝産物の経時的変化の違いを明らかにする。
|
研究実績の概要 |
令和4年度は、まず本臨床研究を遂行するために学内での倫理委員会の承認を得たうえで、予定したプロトコルで適切なデータの収集が可能かどうかを評価するために、膀胱切片の採取方法や尿検体の採取方法、保存方法などに関する条件検討を行った。 採取方法を工夫することで通常の腎移植の際に開放し切除する分量の膀胱壁の切片で研究に必要なデータが収集可能であり、過剰な侵襲を加えることなく研究が遂行可能なことを確認した。また、尿の収集・保管方法も条件検討を行い、研究計画の手法で実際に必要なデータ・サンプルが持続的に収集可能であることを確認した上で、実際に症例の集積を開始した。 COVID-19の感染拡大により予定手術が度々制限されたことや倫理委員会の承認、条件検討に予定より時間を要したこともあり、データ収集の開始が遅れたが、最終的には令和4年度中に5名の症例から研究参加の同意を得て、臨床データ・サンプルの収集を開始している。実際に研究が開始できたのちは順調に症例の組み入れが進んでおり、来年度以降は計画通りに研究が進められることを見込んでいる。 一方で、令和6年度の研究計画で行う予定だったモデル動物を用いた検証のために、当初の研究計画と並行して予備実験を開始した。腎臓外科の協力の下で腎移植モデル動物を作成して膀胱機能解析ができないかどうか条件検討を行い、モデル動物作成に着手しつつ、膀胱内圧測定が遂行可能な実験環境を整えた。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
倫理委員会の承認を得るまでに時間がかかり、またCOVID-19の感染により度々予定手術が延期となった影響もあり、手術時に収集する検体の条件検討が計画通りに進められなかった。その結果、実際に臨床データおよびサンプルの収集開始が、当初の予定より半年近く遅れた。計画では今年度中に30例程度の症例を集積する予定だったが、今年度データ・サンプルの収集が開始できた症例が5例と計画に遅れは出ているが、今後は計画通りに症例の組み入れが続けられる予定であり、来年度以降は予定通りに研究を遂行できる見通しである。
|
今後の研究の推進方策 |
臨床データ・サンプルの収集開始が遅れたものの、開始以降は順調にサンプルの集積ができており、令和5年度中に目標症例数のデータ収集を達成させる予定である。収集できたサンプルを順次解析することで、計画の遅れを最小限に抑えるように努める予定である。 また、並行して令和4年度から開始したモデル動物確立にむけた予備実験、条件検討を令和5年度中も引き続き継続して、令和6年度の計画が滞りなく進められるように準備を進める予定である。
|