研究課題/領域番号 |
22K16814
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分56030:泌尿器科学関連
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研究機関 | 山形大学 |
研究代表者 |
小澤 迪喜 山形大学, 医学部, 客員研究員 (10637218)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2023年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2022年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | 腎細胞癌 / βアラニン / mTOR阻害剤 / 腎癌 / メタボローム |
研究開始時の研究の概要 |
我々は淡明細胞型腎癌手術標本を用いた網羅的代謝物解析(メタボローム解析)の結果を元に、新規バイオマーカーや新規治療の開発を目的として研究を開始し、メタボローム解析を終えている。本研究は有転移、限局性腎癌のメタボロームの比較から同定された代謝産物であるβアラニンとイノシトールの腎癌における役割と腎癌治療応用への可能性を検討する。
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研究実績の概要 |
ヒト腎癌細胞株にmTOR阻害剤ラパマイシンを添加したところ、βアラニン値の変動は細胞間で様々であったが、イノシトールはすべての細胞株で上昇した。そこでβアラニンとエベロリムスの併用効果を調べるため、ヒト腎癌細胞株A498、786Oにβアラニンとエベロリムスを添加した。βアラニン単剤では細胞活性に変化を認めず、ラパマイシン単剤では若干の細胞増殖抑制効果を示したが、併用によりラパマイシン単剤よりも強い細胞活性抑制を示した。 さらにin vivoでの効果をみるため、ヌードマウスにA498株を皮下移植し、βアラニン、ラパマイシンの併用治療効果を見たところ、in vitroの結果と同様、併用で強い腫瘍増殖抑制効果を認めた。 現在、免疫系への影響を検討するためにマウス腎癌細胞RENCAの遺伝子編集を行っている。RENCAはマウス由来淡明細胞型腎癌とされているが、ヒト淡明細胞型腎癌で共通してみられるVHL遺伝子不活化がない。そこで、CRISPR/CAS9技術を用いてVHL不活化RENCA細胞を作成している。現在のところ、片側のアレル変異は誘導できているが、両アレル変異を誘導することができておらず、片側アレル変異をきたしているRENCA細胞を用いてさらにCRISPR/CAS9による遺伝子編集を加え、両アレルの変異誘導を試みている。 また、ラパマイシンとβアラニンの併用効果の確認はできたが、なぜ併用効果がみられたのか、分子細胞学的検討が行えておらず、シグナル伝達を中心に検討している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
RENCA細胞の遺伝子編集によりVHL遺伝子のノックアウトを試みているが、両アレルのノックアウト細胞が作成できていないため。 ラパマイシンとβアラニンについて様々なシグナル伝達経路への影響を見ているが、細胞株による違いが大きく、全ての株に共通する異常が同定できないため。
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今後の研究の推進方策 |
片側アレル変異をきたしているRENCA細胞を用いてさらにCRISPR/CAS9による遺伝子編集を加え、両アレルの変異誘導を試みている。 シグナル伝達経路について検討の幅を広げ検討する。
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