研究課題/領域番号 |
22K16820
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分56030:泌尿器科学関連
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研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
坂口 大 鹿児島大学, 医歯学域医学系, 助教 (70779008)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2024年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2023年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | マイクロRNA / エクソソーム / 腎細胞癌 / SLCA5 / 腎癌 / スニチニブ耐性 |
研究開始時の研究の概要 |
進行性腎細胞癌の治療戦略は血管新生阻害剤に代表される種々の分子標的治療薬の出現により大きく変化したが、薬剤耐性が獲得され治療抵抗性となるため生命予後の改善は限定的である。近年、細胞外小胞の一つであるエクソソームが細胞間コミュニケーションの担い手として注目されている。エクソソームの中には mRNA や microRNA といった核酸やタンパク質などが含まれ、癌においてはその分泌が増加し癌微小環境を構築することが明らかになりつつある。この研究は治療抵抗性腎細胞癌におけるエクソソームを起点とした分子標的薬の耐性獲得機序を明らかにし、新規治療戦略や治療効果予測マーカーの探索を行うものである。
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研究実績の概要 |
今年度は、エクソソームmiR-1の機能と、エクソソームがRCCの腫瘍メーカーを構成する可能性について検討した。まず、細胞ライセートやヒト血清からエクソソームをスピンカラム法で採取する方法を確立した。次に、Nanosightナノ粒子トラッキング解析とエクソソームマーカーCD63を用いたウェスタンブロット解析を用いてエクソソームを評価した。PKH26で標識したエクソソームがレシピエント細胞と融合することを確認した。さらに、miR-1トランスフェクション細胞由来のエクソソームで処理したRCC細胞では、miR-1の発現が上昇した。機能解析により、エキソソームmiR-1は、対照治療と比較して細胞の増殖、遊走、浸潤を有意に阻害することが示された。RCCのTCGAデータベースを用いた解析では、臨床RCC検体ではmiR-1発現が正常腎臓検体と比較して有意にダウンレギュレーションされており、miR-1発現が低い患者は高発現の患者と比較して全生存期間が短いことが示された。さらに、RNA配列解析により、いくつかの遺伝子の発現レベルがエクソソームmiR-1への曝露によって変化していることが示された。TCGAデータベースを用いた解析により、MYO15Aの高発現はRCCの転帰不良と関連していることが示された。さらに、臨床患者の血清由来のエクソソームのRT-qPCR解析では、RCC患者ではMYO15Aが健常対照と比較して有意にアップレギュレーションされていることが示された。この研究は、エクソソームmiR-1による治療がRCCの治療に有効なアプローチであるとともにエキソソームMYO15AはRCCの診断腫瘍マーカーとなる可能性が示唆された。さらに附随研究としてスニチニブ耐性腎細胞癌細胞株においてsecretogranin II がHIF1を介した標的遺伝子となり得ることを見出した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
エクソソーム関連の論文を作成できて順調である。
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今後の研究の推進方策 |
他のマイクロRNAにも着目して、対象の遺伝子を広げて研究を進めたい。
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