研究課題/領域番号 |
22K16826
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分56040:産婦人科学関連
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
朝野 拓史 北海道大学, 大学病院, 助教 (60880052)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2024年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 子宮頸癌 / 患者由来オルガノイド / 薬剤スクリーニング / オルガノイド / 新規薬物治療 |
研究開始時の研究の概要 |
子宮頸癌はヒトパピローマウイルス(HPV)感染が主な原因で子宮頸部に発生する悪性腫瘍で、特に20歳から40歳台で罹患数が増加している。一人一人の患者に合わせた適切な治療方法を提供するために、本研究では、子宮頸癌患者由来オルガノイド培養に着目した。抗癌剤などの効果を予測するスクリーニング系を確立し、薬剤の効果と関係のあるバイオマーカーを探索する。このことにより、子宮頸部から腫瘍が広がった患者に対する適切な治療薬の選択が可能になることが期待される。さらに、本技術により、早期の子宮頸癌患者に対する非外科的な新規治療方法の開発へつなげることを目指す。
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研究実績の概要 |
本研究では、子宮頸癌患者由来オルガノイド(Cx-PDO)の樹立方法を確立し、患者腫瘍との相同性の確認、Cx-PDOを用いた薬剤スクリーニングと臨床予後との相関の検証、新規治療方法の開発を目標とした。 昨年度に引き続き、子宮頸癌患者から採取した検体からCx-PDOの樹立及び薬剤スクリーニングを進めると共に、該当症例からRNAの抽出を行った。 CxPDOの樹立方法は、腫瘍検体の一部を細断し、酵素処理で単離した細胞をMatrigelに包埋し、無血清培地に各種の増殖因子を添加して、5% CO2インキュベーターにて37 °Cで培養した。樹立方法が安定し、手術検体に加え、微小な腫瘍細胞しか採取できない生検検体からの樹立を試み、問題なく樹立が可能であることを確認した。 樹立したCxPDOを用いた薬剤スクリーニングを実施すると共に、樹立したCxPDO、及びその由来組織のホルマリン固定パラフィン包埋(FFPE)ブロックを作成し、HE染色にて元の腫瘍とPDOとの相同性を確認すると共に、核酸を抽出し品質確認の後、凍結保存した。 子宮頸癌症例に対する手術検数が予定より少なかったため、樹立したCxPDOは合計で20検体にとどまったが、生検検体からの樹立が可能であることを確認出来たこと、また薬剤感受性バイオマーカーの確認に使用するため、既存検体からの核酸抽出を一部症例から実施し、その品質の確認を行い凍結保存することができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
該当となる子宮頸癌症例の手術症例が少なかったため、目標症例数をやや下回る実施検数となった。しかし、CxPDOの樹立方法は確立し、安定して樹立できるようになっていることから、今後は生検検体からの樹立を行うことが可能であること、既存検体からの核酸抽出が行えていることから、研究期間内での検討が可能と考えている。
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今後の研究の推進方策 |
子宮頸癌症例のうち、生検検体からのCxPDOの樹立を積極的に進め、目標症例数の確保を目指している。樹立されたCxPDOの薬剤スクリーニングと臨床治療における治療効果の相関を確認する。 また、CxPDOおよび臨床検体から抽出した核酸をもちいたRNAシークエンスを用いた遺伝子発現解析を行い、薬剤感受性に関連する分子機構を探索すると共に、新規の有効性バイオマーカーを探索する。
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