研究課題/領域番号 |
22K16838
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分56040:産婦人科学関連
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研究機関 | 札幌医科大学 |
研究代表者 |
秋元 太志 札幌医科大学, 医学部, 助教 (20815435)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2024年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 子宮頸部腺がん / 線維間質反応 / estorogen receptor / GPR30 / がん関連線維芽細胞 / エストロゲン受容体 / 癌関連線維芽細胞 / がん微小環境 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の目的は、これまで論じられることがなかった、『エストロゲンによる子宮頸部腺がんの悪性化メカニズム』を明らかにし、頸部腺がんをそのがん微小環境も含めてエストロゲン依存性がんとして再定義し、新たな治療戦略策定へ繋げることである。本研究では、エストロゲン関連刺激が子宮頸部腺がんの悪性化に及ぼす影響を、がん細胞・がん関連線維芽細胞を含めたがん間質との相互作用に注目して、①頸部腺がん細胞株を用いた解析、②手術検体から得られたがん関連間質細胞を用いた解析、③手術検体から得られたがん細胞・がん関連間質細胞を用いた相互作用の解析を行う。
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研究実績の概要 |
本研究の目的は、エストロゲン非依存性として認識されてきた頸部腺がんを、癌微小環境も含め、『エストロゲン依存性がん』であることを再定義し、それに基づいた新たな治療戦略の提言を目指すことである。本年度の実績として、目的の中でも、頸部腺がんの微小環境に関する報告が出来たことは大きい。具体的には、手術検体を用いた後方視的研究により、線維間質反応が未熟な子宮頸部腺がんほど予後不良であることを見出し、論文として発表した(Med Mol Morphol. 2022 Dec;55(4):275-282.)。 以下、研究計画に沿って述べる。「エストロゲン関連刺激が頸部腺がん細胞に及ぼす影響の解析」について、実際に頸部腺がん細胞株に対してエストロゲン、GPR30作動薬・拮抗薬を暴露し、エストロゲン及びGPR30作動薬により増殖能・遊走能・浸潤能が増加することが確認された。GPR30拮抗薬ではその作用は減弱していた。このことよりエストロゲンが子宮頸部腺がんの悪性化に関与していることが、改めて確認された。GPR30欠損株作成については、現在作成中であり、Xenograftモデル解析はGPR30欠損株を作成次第、随時開始する予定である。「エストロゲン関連刺激が頸部腺がんの線維間質反応に及ぼす影響の解析」について、実際の手術材料からCAFを分離して培養したが、症例数が少なく、研究に十分な資料が得られていない。そのため、hTERT導入による延命化・株化や、ER欠損株の作成は行えていない状況である。よって「エストロゲン関連刺激による頸部腺がんと線維間質反応でのクロストークの解析」については研究が進み次第、順次進めていく予定である。研究の進捗状況は遅れているが、頸部腺がんの微小環境(特にCAFが関係する線維間質反応)とその予後に関する報告ができたことは重要な前進であると評価している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本研究では、エストロゲンが子宮頸部腺がん及びその癌微小環境に与える影響の詳細を、1)エストロゲン関連刺激が頸部腺がん細胞に及ぼす影響の解析、2)エストロゲン関連刺激が頸部腺がんの線維間質反応に及ぼす影響の解析、3)エストロゲン関連刺激による頸部腺がんと線維間質反応でのクロストークの解析から明確にし、新たな治療戦略を提言することを達成目標としている。現段階では1)は半分以上目標を達成しているものの、2)及び3)を含めた実験が必ずしも順調に進んでいるとは言えないため、「研究目的」の達成度は「やや遅れている」と考えている。
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今後の研究の推進方策 |
子宮頸部腺がんの予後と癌微小環境に関する新たな見解が得られ、エストロゲン関連刺激が頸部腺がん細胞に及ぼす影響に関しては順調に進行している。今後の研究の推進方策としては、それ以外の研究計画である線維間質反応に関する解析、頸部腺がんと線維間質反応でのクロストークの解析を行い、評価していく。さらにその結果により、最終目標であるエストロゲン関連がんとして頸部腺がんを再定義し、新たな治療戦略の提言を目指す。
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