研究課題/領域番号 |
22K16844
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分56040:産婦人科学関連
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研究機関 | 聖マリアンナ医科大学 |
研究代表者 |
鈴木 由妃 聖マリアンナ医科大学, 医学研究科, 助教 (00836992)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2023年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2022年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
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キーワード | 卵子凍結 / ミトコンドリア / がん・生殖医療 / 妊孕生温存 |
研究開始時の研究の概要 |
思春期前を含めた若年がん患者の妊孕性温存療法の中で、卵巣組織凍結は月経周期がなくとも施行可能であり、特に初経前の小児や思春期前の患者では唯一の選択肢となる。一方で凍結融解組織の移植によってがん細胞を体内に戻してしまうリスクがあり、これを回避するために卵巣摘出時に得られる未熟卵子を体外培養し、成熟卵子を獲得する技術を確立する必要がある。凍結融解や体外成熟培養といった処置による、未熟卵子特有の細胞傷害の原因究明する。本研究は生児獲得につながる未熟卵子の体外培養方法の確立を目的とする。本研究により未熟卵子を利用した妊孕性温存療法が若年がん患者の新たな治療の選択肢として広がることが期待できる。
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研究実績の概要 |
思春期前(AYA世代: Adolescent and Young Adult)を含めた若年がん患者の妊孕性温存療法の中で、月経周期に関わらず施行可能な卵巣組織凍結は、初経前の小 児や思春期前の患者で唯一の選択肢となる。一方で凍結融解組織の移植によってがん細胞を体内に戻してしまう可能性は拭えない。これを回避する対策として、卵巣摘出時に得られる未熟卵子を体外培養し、成熟卵子を獲得する技術を早急に確立する必要がある。凍結融解や体外成熟培養といった処置がもたらす、未熟卵子特有の細胞傷害の原因究明を成熟卵子でのデータと比較し行う。本研究は生児獲得につながる未熟卵子の体外培養方法の確立を目的として、凍結融解や体外成熟培養といった処置がもたらす細胞障害の原因を検討する。未熟卵子における凍結・融解ストレスによるミトコンドリア動態を解析することを目指した。マウス新鮮・凍結融解未熟卵子におけるMT・TMREの蛍光染色後にミトコンドリアクラスター分布及びミトコンドリア動体を3 D画像で評価し、ミトコンドリアのクラスター分布およびその面積のにおいて両群間のクラスター数に有意差を確認した。Vitrification凍結融解過程によりミトコンドリアに障害が引き起こされる。本研究ではアポトーシスに至り、DNA障害が発生するほどの大きなダメージではないがミトコンドリアの細胞活性が低下し、ミトコンドリアの恒常性に変化をもたらすことが考えられた。Vitrificationによる凍結障害が、卵子における妊娠率の低下の原因となる可能性が示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
3D画像でのサンプル評価に必要なハイスペックPCの導入が、ロシアでの戦争をはじめとした社会情勢の影響により海外からの運搬の遅滞に伴う長期間の納入遅延となり研究の遅滞が発生した。現在は予定のPC納入がなされており、研究計画からの遅れがあるものの、進めている。
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今後の研究の推進方策 |
卵子の3D解析のデータ収集を進めていく。それと同時に取得済みのデータ解析とデータ整理を並行して進め、論文執筆作業を進め、英文紙への論文投稿を目指している。
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