研究課題/領域番号 |
22K16861
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分56040:産婦人科学関連
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
坪木 純子 熊本大学, 大学院生命科学研究部(医), 特定研究員 (70772408)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 卵巣癌 / マクロファージ / 婦人科腫瘍 |
研究開始時の研究の概要 |
われわれの研究グループでは、卵巣癌が進展、転移する過程において、がん微小環境の構成要素の一つであるマクロファージが腫瘍形成促進の性格を有するM2マクロファージに分化することで、卵巣癌細胞と共依存的な細胞間相互作用を有していることを明らかにした。本研究では、卵巣癌の治療て抵抗性におけるマクロファージの機能的役割を明らかにすることを目的とし、最終的にはマクロファージのM2分化を制御する薬剤を用いた新たな治療戦略の開発を目指す。
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研究実績の概要 |
近時、様々な悪性腫瘍の進展や治療抵抗性において、癌細胞を取り巻く腫瘍微小環境が極めて重要な役割を果たしていることが示されている。これまでの過去にわれわれが行った解析の結果、様々な腫瘍組織においてマクロファージの浸潤密度が高い症例ほど、その予後が不良であることが明らかにされている。マクロファージはその活性化の様式から抗腫瘍効果を示すM1型と抗炎症作用を示すM2型に分類されるが、多くのTAMはM2型への活性化を受けていることが示されている。そして、これらのM2型のTAMは、IL-10、TGF-β、Prostaglandin E2などの抗炎症生因子の産生や制御性T細胞の浸潤を促進することで、抗腫瘍免疫を抑制し、癌細胞の進展にとって有利な腫瘍微小環境の形成に密接に関わっている。 最近われわれは、卵巣癌が進展、転移する過程において、腹腔内のがん微小環境の構成要素の一つであるマクロファージが腫瘍形成促進の性格を有するM2マクロファージに分化することで、卵巣癌細胞と共依存的な細胞間相互作用を有していることを明らかにした。 本研究では、卵巣癌の治療て抵抗性におけるマクロファージの機能的役割を明らかにすることを目的とし、最終的にはマクロファージのM2分化を制御する薬剤を用いた新たな治療戦略の開発を目指す。 今回、われわれが行った解析の結果からは、特に卵巣癌の進展の過程におけるM2マクロファージが有する分子生物学的な特性が明らかにされており、今後も網羅的な解析を継続して行っていく予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
今回われわれは、卵巣癌high-grade serous carcinomaの腹膜播種病巣の組織切片を用いて、卵巣癌幹細胞として機能するCD44 variant6陽性細胞とTAMとの関連性について解析を行った。連続切片を用いて、卵巣癌の癌肝細胞マーカー、そして汎マクロファージのマーカーであるCD68、さらに、M2マクロファージのマーカーであるCD163の免疫染色を行った結果、癌肝細胞周囲の組織において、より多くのCD68陽性のTAM の集積がみられており、さらにその大部分は、CD163陽性のM2マクロファージに分化しているといった現象が見出された。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、当科で加療した上皮性卵巣癌症例のうち、初回手術の後に化学療法を施行し、その後に2次的手術を行った症例の組織標本と臨床情報を収集する。そして、それぞれの症例における組織ブロックを用いて、汎マクロファージのマーカーであるCD68、M2マクロファージのマーカーであるCD68、さらには関連するシグナル伝達経路であるSTAT3などの免疫組織化学染色を行う予定である。さらに、マクロファージの分化状態と予後との関連性について、多変量解析やカプランマイヤー法にて詳細な検討を行うことで、卵巣癌患者の予後規定因子の同定を目指す。
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