研究課題/領域番号 |
22K16876
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分56040:産婦人科学関連
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
芳川 修久 名古屋大学, 医学部附属病院, 講師 (60804747)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2024年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2023年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | キメラ抗原受容体 / メソセリン / 腫瘍微小環境 / 免疫トレランス / 卵巣癌 / 腹膜播種 |
研究開始時の研究の概要 |
抗CD3/CD28抗体刺激によるCD8+T細胞の免疫活性化が、卵巣がん患者由来の癌性腹水によって抑制されることから免疫トレランスの実態が明らかとなりつつある。この結果を踏まえ、ヒトへの外挿性の高い免疫トレランス誘導系を用いて、ゲノムワイドなCRISPR-Cas9ノックアウトsgRNAプールライブラリと組み合わせることにより、癌性腹水誘導性免疫トレランス克服に重要な分子の同定し細胞療法の効果を増強させることが可能となる。さらに、卵巣がん患者由来の癌性腹水から採取できるリンパ球を含む細胞相および液相の解析も同時に進め、免疫トレランス状態の臨床的実態を定量的に評価可能なプロトコールを確立する。
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研究実績の概要 |
CAR-T細胞製造に関するプロトコルを決定し、PBMCあるいはCD3陽性細胞へのレンチウイルスベクター法で概ね50%程度の遺伝子導入効率を達成することが常時可能となる製造方法を決定した。CAR構造は最もシンプルなCD3ζとCD28膜貫通ドメインを連結したCARとしており、MSLN発現卵巣癌細胞の細胞傷害性を確認した。これにより抗MSLN CAR-T細胞が安定的に作成できることを確認した。CAR-T細胞の抗腫瘍効果の評価系については、CFSE染色によるCAR-T細胞の増殖アッセイならびにIFNγ発現をFACSで定量化することにより活性化CAR-T細胞を定量可能とする系を確立した。またKillingの評価としてLuciferase発現×MSLN発現卵巣癌細胞株の樹立をして、発光定量化によりKillingの定量化を可能にした。 CAR-T細胞の樹立と抗腫瘍効果の評価系に加えて、疲弊化モデルの構築に着手した。既報に存在する液性因子を用いて疲弊化を誘導し、上記の抗腫瘍効果評価系によってCAR-Tの機能が抑制されることを確認した。これは再現性を含めて確認していく必要があると思われる。 卵巣癌にMSLNおよびLuciferaseを強制発現させた細胞株を作成し、マウスに皮下投与する動物モデルを用いたCAR-T細胞投与により一定の腫瘍縮小効果が確認された。 上記のin vitroの評価系を用いて、がん性腹水を用いてCAR-T細胞のIFNγ発現や細胞傷害性が毀損されることが示唆されるデータを得た。またその中で、過去の報告やT細胞における機能への関与等から標的遺伝子Xを今後の研究計画においてターゲットとすることとした。 さらにOT-Iマウスモデルを導入するため、Ovalubuminの強制発現ID-8細胞株の樹立を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初予定していた初年度として抗MSLN CAR-T細胞の安定作成、CAR-T細胞の抗腫瘍評価系の確立、動物モデルを用いたCAR-T細胞投与プロトコル決定を完了した。これらにより2024年度において予定している特定した分子をModificationしたCAR-T細胞における機能評価を進めるという当初の予定通りの進捗となっている。今後は作成した遺伝子改変したCAR-T細胞を疲弊化状態に誘導し、疲弊化解除を確認する。さらに、同分子の機能をin vivoの系としてNODマウスモデルだけではなくOT-Iマウスを用いた同系腫瘍に対する免疫応答を確認することにより同分子の機能検証をより多角的に検証していく。
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今後の研究の推進方策 |
2024年度においては、採取した健常成人PBMCからT細胞を収得し、作成した抗Mesothelin CAR発現レンチウイルスベクター等を感染させ、抗Mesothelin CAR-T細胞を作製しこれをControlとして、標的遺伝子Xを遺伝子改変した抗Mesothelin CAR-T細胞を作成する。以下の2つの系を用いて抗Mesothelin CAR-T細胞のエフェクター活性を評価する。in vitroではルシフェラーゼ発現卵巣癌細胞を用いたKillingアッセイ、CFSEによるCAR-T増殖解析、IFNγ発現解析を行う。 In vivo抗腫瘍効果の評価では、卵巣癌マウスゼノグラフトモデル(Nude<NODマウス)を用いる。さらにOT-Iマウスモデルを用いて標的遺伝子Xの遺伝子改変したOT-Iマウス由来リンパ球をOvalubumin発現ID-8細胞株を移植したマウスモデルに投与することにより、標的遺伝子X改変が抗腫瘍効果の増強に寄与できるかを検証する。
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